2025年もひっそりと続くトレジョのスモールロットコーヒーシリーズ。2025年9月中旬に、シリーズ初となるタイ王国の焙煎豆が登場しました。こちらのコーヒーをご紹介します♪
トレジョのスモールロットコーヒーとは?

2020年から続くトレーダー・ジョーズの人気シリーズ「スモールロットコーヒー」は、小規模コーヒー農園に焦点を当て、現地の生産者と直接契約を結んで1年分の収穫量をまるごと買い取るというユニークな取り組みです。
同じ農園でも、その年の気候や栽培条件によって味や品質が変わるため、まさに“シングルオリジンならではの一期一会の味わい”を楽しめるのが魅力。
2020年・2021年はほぼ途切れることなく各国の豆が登場しましたが、2022年は物流遅延や人手不足、インフラの影響もあり、販売は5種類に減少。2023年には再びペースを取り戻し、7種類の豆がラインナップされました。
2024年は、4月末のエチオピア産を皮切りに、6月ケニア産、7月ブラジル産、8月インドネシア産、10月メキシコ産、そして11月ニカラグア産と、計6種類が登場。2025年には、1月下旬のコスタリカ産に続き、9月にタイ・チャンライ産の豆が新たに加わりました。
これまでのスモールロット・アーカイブ
これまでトレジョに登場したスモールロットシリーズの産地は以下の通りです。
2020年:ニカラグア・パプアニューギニア・ブラジル・ブルンジ・エルサルバドル・ウガンダ・ホンジュラス・ルワンダ・ペルー
2021年:エクアドル・タンザニア・カメルーン・パプアニューギニア・インドネシア(バリ島)・メキシコ・東ティモール共和国
2022年:ブラジル・ケニア・ドミニカ共和国・メキシコ・インド
2023年:エクアドル・ウガンダ・メキシコ・ニカラグア・ドミニカ共和国・グアテマラ・ブラジル
2024年:エチオピア・ケニア・ブラジル・インドネシア・メキシコ、ニカラグア
2025年:コスタリカ・タイ ☜
こうして振り返ってみると、2025年のスモールロットコーヒーは、これまでに比べてリリース頻度がかなり落ちていることが分かります。また、アジアを産地とするコーヒーとしては、インドネシアに続く2カ国目となり、シリーズの中でも貴重な位置づけと言えます。
タイ・チャンライ地区のコーヒー!

今回のコーヒーは、タイ北部 チェンライ県メーカジャン地区のもの。チェンライ県はチャンマイから北東、ミャンマーとラオスの国境付近にある街で、白いお寺が有名です。このチャンライ県にあるメーカジャン地区は、標高の高い山岳地帯で、アラビカ種の栽培に適した冷涼な気候と肥沃な土壌が特徴。この地域のコーヒーは、少数民族の小規模農家によって丁寧に栽培され、手摘み・水洗式(ウォッシュトプロセス)で精製されているとのこと。
メーカジャン産コーヒーは「梨のようなフルーティーな甘み、シロップのような口当たり、クリーンでほのかに甘い余韻」が特徴なのだそう。
パッケージデザイン

今回のパッケージは、青を基調としたシンプルで洗練されたデザイン。トレーダー・ジョーズのコーヒーとしては珍しく、イラストを一切使用していません。
中央にはエンブレムのようなモチーフが配置され、オレンジ色で描かれた国名がデザイン全体のフォーカルポイントとして際立っています。

こちらがサイドのデザイン。カラフルなパステルカラーを背景に、コーヒーの木と鮮やかな赤いコーヒーチェリーが描かれています。正面のシンプルな印象とは対照的に、サイドには柔らかく華やかな色合いが加えられ、全体のデザインに温かみとストーリー性を添えています。
品種は100%アラビカ種・焙煎はミディアム・ロースト。内容量は340gでお値段USD9.99。風味は「チェリー・ダークチョコレート」だそう。酸味が程よく効いたコクのある味わいが期待できそうです。
開封した様子

開封した様子がこちら。香りに関しては平均的、香り立つようなアロマは感じません。

焙煎豆の様子。光沢さはなく、平均的なミディアムローストの色合いです。バリやカケはありませんが、形が歪な豆や欠けた豆も満遍なく入っています。豆の大きさは平均から小さめ。
フレンチプレス&ドリップ抽出で比較!
今回もフレンチプレスとハンドドリップの2種類で味を検証します。
ハンドドリップ

最初にハンドドリップ。10gの豆を中細挽きでグラインドしたあと、フィルターに入れます。一旦蒸らしたのちに200Fのお湯でドリップし、200ml分のコーヒーを抽出します。
味の感想

アロマはそこまで感じません。苦味と渋みがブレンドされた味わい。コクはそこまで感じず、濃厚さも特に感じません。どちらかというと野生味のある荒々しい味。万人受けするというより、シングルオリジンならではのユニークさを楽しめる人向きという感じです。
フレンチプレス

続いてフレンチプレス。粗めにグラインドした後、5分抽出します。17gの豆に対して200Fのお湯を200ml入れ、1分後に攪拌。4分後にプレスしてマグカップに注ぎます。豆の膨らみも芳しい香りの引き立ちも、特には感じません。

まず、粉っぽいようなくせを感じます。2024年8月にご紹介した収穫された熟したチェリーを、農園で加工せず、そのままの状態で雨の降らない地方まで移動する南米ブラジル・バイーア州のトロピカル・バヒアを思い出します。発酵したコーヒーのような僅かなクセがある味。苦味は平均程度で、多少のまろやかさも感じます。
最後に
今年2度目のスモールロットは、秋口になってようやく登場しました。例年に比べるとリリース頻度はかなり寂しいものの、年末に向けて恒例のスペシャルバージョンが登場することを期待したいところ…。新しいシリーズが出次第、またレポートします。