2024年8月最終週、前回のブラジル産「Tropical Bahia」から割とすぐ後に登場したのがインドネシアの「Java of the Gods」。スモールロットシリーズにしては珍しいダークローストのシングルオリジン豆をご紹介します♪
トレジョのスモールロットコーヒーとは?
2020年から本格的にはじまったトレジョの「スモールロットコーヒー」シリーズ。これは小規模なコーヒー園に焦点を絞り、現地農園と直に契約を結んで1年分のコーヒー豆の生産量をそっくり買い取ったコーヒー豆を指します。
同じコーヒー園でもその収穫する年の天候などの条件によって味やクオリティーが変動するため、まさにシングルオリジンならではの一期一会の味わいを楽しめるのが大きな魅力。2020年・2021年はほぼコンスタントにいろんな国のコーヒーが入荷されていましたが、2022年は物流の遅れと人手不足・インフラの要因か頻度が落ち、5種類のみの販売、2023年に入ってからは多少頻度が上がり、2月にエクアドル、3月初旬にウガンダ、5月にメキシコ、8月にニカラグア、9月にドメニカ共和国、10月にグアテマラ、そして12月にブラジルと7種類の豆が登場しました。2024年は4月末に、まずエチオピア産、6月下旬にケニア産、7月末にブラジル産、8月末に今回のインドネシア産がリリースされました。
これまでのスモールロット・アーカイブ
これまでトレジョに登場したスモールロットシリーズの産地は以下の通りです。
2020年:ニカラグア・パプアニューギニア・ブラジル・ブルンジ・エルサルバドル・ウガンダ・ホンジュラス・ルワンダ・ペルー
2021年:エクアドル・タンザニア・カメルーン・パプアニューギニア・インドネシア(バリ島)・メキシコ・東ティモール共和国
2022年:ブラジル・ケニア・ドミニカ共和国・メキシコ・インド
2023年:エクアドル・ウガンダ・メキシコ・ニカラグア・ドミニカ共和国・グアテマラ・ブラジル
インドネシアのジャワコーヒー!
今回のコーヒーはインドネシアで最も人口の多いジャワ島の西、パラヒャンガンという地域のコーヒー豆。2021年にインドネシアのバリ島のコーヒーが登場しましたが、今回は西ジャワの緑豊かな高地にある数軒のコーヒー農家のもののよう。名前の由来はパラヒャンガンという地名が「神々の住処」を意味することからだそう。
よく聞くジャワコーヒーですが、これは1600年代後半からオランダによる栽培が行われていたから。酸味とコクが特徴のようです。今回ダークローストなのは、酸味が強すぎるからかもしれません。収穫後の加工については、特に記載はありません。
パッケージの様子
それではパッケージの様子から。今回は太陽や火を連想させる黄色と赤がメインに使われたパッケージが採用されています。中央のコーヒーチェリーや葉っぱも赤色。中央にシンプルなフォントで産地名が書かれており、赤でダークローストと主張されています。風味としてキャラメル・ナッティー・ココアという表現が使われており、どっしりとした濃厚な味の印象を受けます。
珍しかったのが、両面とも全く同じデザインでどっちから見ても正面だということ。サイドに抽出の仕方などが記載されています。サイドだけ黒が使われており、昼と夜、隠と陽の様なコントラストを感じます。素材はアルミ製で、正面上部にワイヤーが付いたタイプ。窒素充填パック加工で、100%アラビカのホールビーン。焙煎はスモールロットにしては非常に珍しいダークロースト。内容量は340g。お値段9.99ドルです。
開封レビュー
開封した様子がこちら。香りの引き立ちは平均程度。こうやって見るだけで表面に油がコーティングされているのが見て取れます。
テカテカと光る焙煎豆の様子。こうやってみると、意外と大きさはマチマチ。ただバリやカケは綺麗に取り除かれているのが分かります。とにかくダークローストらしく、表面の光沢が目立ちます。ここまで光沢があるのは、まさにアフリカのコーヒー以来久しぶりです。
フレンチプレス&ドリップ抽出で比較!
それではここからは、フレンチプレスとドリップの2種類で味を検証します。
フレンチプレス
まずはフレンチプレス。粗めにグラインドした後、5分抽出します。17gの豆に対して200Fのお湯を200ml入れ、1分後に攪拌。4分後にプレスしてマグカップに注ぎます。お湯を注いだ際の焙煎豆の膨らみはそこまで感じませんが、ダークローストらしく香ばしい香りを感じます。
飲んだ感想
香りはそこまで引き立たない印象です。ダークローストだけあり、酸味が少なくまろやか。苦味をそこまで感じないので飲みやすい味わいです。濃厚というわけでもないのですが、飲みやすく香ばしいコーヒーと言った感想です。
ドリップコーヒー
続いてはドリップコーヒー。10gの豆を中細挽きでグラインドしたあと、フィルターに入れます。一旦蒸らしたのちに200Fのお湯でドリップし、200ml分のコーヒーを抽出します。
飲んだ感想
香りはそこまで強くありませんが、香ばしいアロマを感じます。味はまろやかで酸味をほぼ感じません。インドネシア産独特の豆自体のフルーティーな風味はそこまで感じないのは残念。確かに香ばしいので、ダークチョコレートという表現が合います。酸味がないので、キレはそこまで感じませんが、非常に飲みやすい印象です。このまま何も入れずに飲んでも楽しめるコーヒーと言った感じ。後口にわずかな苦味を感じますが、そこまで気になりません。
最後に
2024年秋に登場したスモールロットをご紹介しました。今回は有名なジャワコーヒー、ジャワ島らしいコーヒー豆の味わいを楽しみにしていましたが、ダークローストだったのでそこまでの特徴を感じなかったのが残念。ただ癖がなく飲みやすいことと、インドネシア産コーヒーはなかなか見かけないため、試してみたい方はぜひお勧めです。