10月中旬に店頭に並んだ新たなスモールロットコーヒー。今回はメキシコのラ・コンコルディア産のシングルオリジンコーヒーをご紹介します。
トレジョのスモールロットコーヒーとは?
2020年から本格的にはじまったトレジョの「スモールロットコーヒー」シリーズ。これは小規模なコーヒー園に焦点を絞り、現地農園と直に契約を結んで1年分のコーヒー豆の生産量をそっくり買い取ったコーヒー豆を指します。
同じコーヒー園でもその収穫する年の天候などの条件によって味やクオリティーが変動するため、まさにシングルオリジンならではの一期一会の味わいを楽しめるのが大きな魅力。2020年・2021年はほぼコンスタントにいろんな国のコーヒーが入荷されていましたが、2022年は物流の遅れと人手不足・インフラの要因か頻度が落ち、5種類のみの販売、2023年に入ってからは多少頻度が上がり、7種類の豆が登場しました。2024年は4月末に、まずエチオピア産、6月下旬にケニア産、7月末にブラジル産、8月末にインドネシア産、そして今回10月中旬にメキシコ産の合計5種類が登場しています。
これまでのスモールロット・アーカイブ
これまでトレジョに登場したスモールロットシリーズの産地は以下の通りです。
2020年:ニカラグア・パプアニューギニア・ブラジル・ブルンジ・エルサルバドル・ウガンダ・ホンジュラス・ルワンダ・ペルー
2021年:エクアドル・タンザニア・カメルーン・パプアニューギニア・インドネシア(バリ島)・メキシコ・東ティモール共和国
2022年:ブラジル・ケニア・ドミニカ共和国・メキシコ・インド
2023年:エクアドル・ウガンダ・メキシコ・ニカラグア・ドミニカ共和国・グアテマラ・ブラジル
2024年:エチオピア・ケニア・ブラジル・インドネシア・メキシコ
世界有数の産地だけあり、2021年より毎年コンスタントに登場するメキシコ産のスモールロット。これまでチアパスとベラクルス州の豆が登場しています。
今回もメキシコ・チアパス州のコーヒー
今回のコーヒー豆も、前回と同じくチアパス州産です。今回はチアパス州の中央やや南よりになるラ・コンコルディア地域内。海抜1,400~1,600メートルの高さの小さなコーヒー園が共同したものとなります。
手摘みされた豆は一度洗浄され、天日干しされますが、湿度が高いという条件下、一般的とされるよりもはるかに長い時間、乾燥させる必要があるとのこと。豆と殻の接触が増えることで、殻の中の風味が豆に浸透し、フルーツの風味が際立つコーヒーが生まれるそう。
パッケージデザイン
今回のパッケージデザインはこのような感じ。紺色をベースに、カラフルなお花がモチーフとなったなんだかレトロでノスタルジック感が強いデザインです。そして2023年6月にご紹介したチアパス州グアテマラの国境沿いの農園から仕入れた「オーガニック・チアパス」に極似しています。
ちなみにこちらがその2023年6月のパッケージ。どちらも紺色をベースにカラフルなお花がモチーフとなっており、ぱっと見ても見分けにくい印象。両方ともチアパス州産でオーガニックという条件も似ており、シリーズ化されたパッケージデザインなのかもしれません。
サイドの様子はこちら。サイドのデザインは黒色の花模様が入っており、地味な印象です。内容量340g、ライトロースト、100%アラビカ種。今回もオーガニックですが、前回のオーガニック豆より1ドル値下がりされており、お値段は9.99ドル。コロナ禍以降長く続いたインフレも、なんだか徐々に落ち着いてきた印象です。
開封した様子
開封した様子がこちら。開けた瞬間フルーティーな香ばしさのあるアロマの立ち上がりを感じました。香りは意外と強いです。
焙煎豆の様子。小ぶりの丸みを帯びた豆で、大きさはほぼ均一。ライトローストならではのマットな質感です。欠けた豆が混じっているものの、バリやカケは綺麗に取り除かれています。
フレンチプレス&ドリップ抽出で比較!
それではここからは、フレンチプレスとハンドドリップの2種類で味を検証します。
ハンドドリップ
まずはハンドドリップ。10gの豆を中細挽きでグラインドしたあと、フィルターに入れます。一旦蒸らしたのちに200Fのお湯でドリップし、200ml分のコーヒーを抽出します。独特の酸味がある香りが立ち上がり、一瞬でオアハカの街で飲んだコーヒーを思い出しました。この酸味のアロマはメキシコ独特のものかも知れません。
飲んだ感想
味は意外と軽めで、まず最初に独特の発酵したような味わいを感じます。酸味とも違うとても不思議な味わい。表現がしづらいのですが、雑味ともまた違った感じです。アロマは、淹れた時ほど香ばしくなく、香りが引き立つ感じではないのも意外。酸味の先にその味わいを感じ、なんだかとってもユニークです。
フレンチプレス
続いてフレンチプレス。粗めにグラインドした後、5分抽出します。17gの豆に対して200Fのお湯を200ml入れ、1分後に攪拌。4分後にプレスしてマグカップに注ぎます。お湯を注いだ際の焙煎豆の膨らみは特にありませんが、同じく香ばしい強めのアロマを感じます。
飲んだ感想
このコーヒーを一言でまとめるならば、軽くてフルーティー。酸味を感じるお馴染みのライトローストの味わいです。ドリップの時に感じた発酵のような味はあるけれど、そこまで気になりません。ほかのスモールロットの焙煎豆に比べると香りは強い方だと感じます。ベリー系の酸味が引き立つ味わいです。
最後に
2024年晩秋に登場したメキシコ、ラ・コンコルディアオーガニックコーヒーを、ご紹介しました。ライトローストの香ばしいコーヒーは、シングルオリジンの味わいを楽しむのにぴったりです。ちなみに現在店頭には11月初旬からニカラグアのスモールロットが並んでいます。こちらもこのコーヒーを飲み切り次第レポートします。