10月中旬に店頭に並んだメキシコ産コーヒーに続いて、今回12月中旬に登場したのが、シリーズ初登場のインド産コーヒー。インディアンパールマウンテンと呼ばれるコーヒーをレポートします♪
トレジョのスモールロットコーヒーとは?
2020年から本格的にはじまったトレジョの「スモールロットコーヒー」シリーズ。これは小規模なコーヒー園に焦点を絞り、現地農園と直に契約を結んで1年分のコーヒー豆の生産量をそっくり買い取るシステムのこと。
同じコーヒー園でもその収穫する年の天候などの条件によって味やクオリティーが変動するため、まさにシングルオリジンならではの一期一会の味わいを楽しめるのが大きな魅力です。2020年・2021年はほぼコンスタントにいろんな国のコーヒーが入荷されていましたが、2022年は物流の遅れと人手不足・インフラの要因か頻度が落ち、今回のコーヒー豆で5種類目となります。
ちなみにこれまで登場した産地は以下の通りです。スモールロットシリーズ始まって以来のインド産コーヒーとなります!
- 2020年:ニカラグア・パプアニューギニア・ブラジル・ブルンジ・エルサルバドル・ウガンダ・ホンジュラス・ルワンダ・ベルー
- 2021年:エクアドル・タンザニア、カメルーン・パプアニューギニア・インドネシア(バリ島)・メキシコ・東ティモール共和国
- 2022年:ブラジル・ケニア・ドミニカ共和国・メキシコ・インド
インド・西ガーツ山脈地帯のコーヒー!
今回のコーヒーは、南インドの西ガーツ山脈の傾斜地にある生物多様性に富んだバイオダイナミックな農園で栽培されたもの。 1927年から続く家族経営の老舗コーヒー園で作られたコーヒー豆を使用しています。あまり馴染みのないインド産コーヒーですが、あるレポートでは2021-22年の輸出総額は前年比42%増の10億4,000万米ドル(≒1,405億円)を記録、2022年3月のコーヒーの輸出額は1億1,470万米ドル(≒155億円)で、2022年2月から22%増と生産量が増えているのがわかります。
ちなみに生産されたうちの70%は、海外に輸出されているのだそう。そのうち、もっと見かけるようになる原産国かもしれません。アジア豆特有の香りと苦味と酸味のバランスが特徴だされています。
嫌気性低速乾燥法を使った新技術
今回のコーヒーは、伝統的なスモールロットに加え、2嫌気性低速乾燥法(An Anaerobic Slow Dry Process)と呼ばれる25日間ゆっくりとした乾燥工程が加えられている。これは比較的新しい技術なのだそう。スモールロットでは初めて聞く製法です。この工程を踏むことによって、乾燥いちじくとミルクチョコレートのような複雑な風味がもたらされるのだそう。
100%アラビカ種のカトゥアイ種は、日陰で栽培され、収穫されます。。
今回のパッケージデザイン
毎回お楽しみのパッケージデザイン、今回はこのような感じ。全体的に使われる色味が少なく、素朴な印象です。メタリックな白を背景に、西ガーツ山脈と空に浮かぶ大きなフルムーンが描かれています。今回も内容量は340g、ミディアムロースト、気になるお値段は前回と変わらないUSD10です。インフレが進む中、シングルオリジンのコーヒーをUSD10で購入できるのは、トレジョぐらいかもしれません。
サイドとボトムのデザインはこのような感じ。しまうまのような模様は、サイドとボトムで違った色使いがされており、見えない部分まで凝っています。
開封レビュー
素材は窒素充填パック加工されたアルミ製で、正面上部部分にジップロックがありここのタブを引いて開封します。開けた瞬間から濃厚な焙煎豆の香りが引き立ちます。清涼感が強い香りで、焦げと紙一重のようなナッツのような香ばしさが強い印象を受けます。
焙煎豆の様子。前回と同じように、しっかりと焙煎されており深い色をしています。バリや欠けがなく、きれいな状態で入っており、品質は良さそう。前回のような光沢感は少なく、どちらかといえばマットな質感です。
フレンチプレスとハンドドリップで抽出して比較!
それではここからは、フレンチプレスとハンドドリップの2種類の抽出方法で味を検証していきます!
フレンチプレス
まずはフレンチプレス。粗めにグラインドした後、5分抽出します。17gの豆に対して200℉(93℃)のお湯を200ml入れ、1分後に攪拌。4分後にプレスしてマグカップに注ぎます。お湯を注いだ直後の様子がこちら。前回と比べて今回は豆がぷっくりと膨らむと同時に、良い香りが引き立ちます。
ハンドドリップ
続いてはハンド・ドリップ。10gの豆を中細挽きでグラインドしたあと、湿らせた紙フィルターに入れます。一旦蒸らしたあと200Fのお湯でドリップし、200ml分のコーヒーを抽出します。 同じく蒸らした際の焙煎豆が膨らみました。
味の感想
プレンチプレス
このコーヒーを一言で表すなら、「コクを感じる飲み応えのある味わい」。酸味は多少感じますが、後味がすっきりとしていて、飲みやすいコーヒーです。コクと苦味のどちらも強めで、ボールドなので飲みごたえがあります。まさに朝にぴったりです。
ハンドドリップ
個人的にこの焙煎豆に関しては、ハンドドリップもフレンチプレスもどちらもあまり変わらない印象です。ハンドドリップでも主張が強く濃い味わいで、飲みごたえがあります。好き嫌いが分かれる味ですが、濃厚でしっかりとした味が好きな方が好きな味。ダークローストに比べるとフルーティーな酸味を感じます。
最後に
2022年最後に登場したトレジョのスモールロット、最後の産地はインドとなりました。来年はお値段はこのまま、意外性のある産地のコーヒーを楽しみたいもの。新たに登場した時点でお伝えします。