2022年スモールロットシリーズ第2段となるのが、3月中旬に登場したケニアの「ワナワケ」。黄色と黒のパッケージが印象的な、アフリカ大陸のコーヒーをご紹介します。
トレジョのスモールロットコーヒーとは?
2020年から本格的にはじまったトレジョの「スモールロットコーヒー」シリーズ。これは小規模なコーヒー園に焦点を絞り、現地農園と直に契約を結んで1年分のコーヒー豆の生産量をそっくり買い取るシステムのこと。
同じコーヒー園でもその収穫する年の天候などの条件によって味やクオリティーが変動するため、まさにシングルオリジンならではの一期一会の味わいを楽しめるのが大きな魅力です。
ちなみにこれまで登場した産地は以下の通りです。
- 2020年:ニカラグア・パプアニューギニア・ブラジル・ブルンジ・エルサルバドル・ウガンダ・ホンジュラス・ルワンダ・ベルー
- 2021年:エクアドル・タンザニア、カメルーン・パプアニューギニア・インドネシア(バリ島)・メキシコ・東ティモール共和国
- 2022年:ブラジル
今回は、ケニア産のコーヒー!
今回は、初の登場となるケニア産のコーヒー。アフリカ大陸のコーヒーは「ブルンジ」「ウガンダ」「ルワンダ」「カメルーン」「タンザニア」に続き5ヶ国目となります。ケニアといえば、自然動物が豊かなサファリのイメージが大きいですが、品質の良いコーヒー豆を産出する国として知られています。
今回のコーヒーは、ケニアの中央州南部に位置するキアンブ地区のもの。海抜6,000フィート(1,828メートル)の高さにある「Mung’etsu」と呼ばれる所有地で栽培されています。一体は火山による赤土の土壌で、コーヒー栽培に適した条件下。この農園で、女性経営のコーヒー豆生産が行われています。
ケニア伝統の「ダブルウォッシュ発酵」精製豆
今回のコーヒー豆の特徴は、収穫された豆がケニア式と呼ばれる伝統的な「ダブルウォッシュ発酵」で精製されていること。水洗→皮むき→発酵→水洗を終えたパーチメントを、さらに水に漬けて乾燥させる工程が加えられています。2度水に漬けることで、よりクリーンな味わいになるのだそう。
パッケージ・デザイン
今回のパッケージデザイン。丘の上にキリン、女性が収穫したチェリーを大きな籠に入れ、頭上に乗せて運んでいるシルエットが描かれています。
素材はアルミ製で、正面上部にサイドに引いて開けるタブとジップ付き。窒素充填パック加工で、100%アラビカのホールビーン。焙煎はミディアム・ロースト、内容量は340g。お値段は、インフレの影響か今回さらにUSD2の値上げでUSD11.99に値上げされています。2021年12月にUSD8.99からUSD9.99に値上げ、それから僅か3ヶ月後、ここで2度目の値上げです。
サイドには、パッキリとした黒と黄色のトライブ柄が一面に施されています。背後は黄色のバックに黒のフォントで説明書きがされたすっきりとしたシンプルなデザインです。
開封レビュー
今回の豆の香りは強く、開封と同時に濃厚なアロマが引き立ちました。焙煎特有の香ばしさと共に、ナッティーなナツメグのようなスパイスの香りをほのかに感じます。
焙煎豆の様子。色合いもサイズもほぼ均等で、欠けのある豆もなくきちんと選別が行われている印象です。散らばるカケやチャフも見当たらず、豆自体はとても良質に見えます。表面の光沢はなく、マットな質感です。ただ今回の豆は全体的に中央の薄皮が残っているのが目立つ印象。ここまで残っている焙煎豆はこれがはじめてかもしれません。
フレンチプレス&ドリップ抽出で比較!
それではここからは、フレンチプレスとドリップの2種類で味を検証します。
フレンチプレス
まずはフレンチプレス。粗めにグラインドした後、5分抽出します。17gの豆に対して200Fのお湯を200ml入れ、1分後に攪拌。4分後にプレスしてマグカップに注ぎます。お湯を注ぐと、焙煎豆がぷっくりと膨らむのが分かりました。
香りの引き立ち具合から、濃厚な味を予想していたが意外とあっさりとしています。口に含んだ瞬間に感じるのが酸味。フルーティーで独特の酸味はやはり、薄皮が残っているのが原因かもしれません。。酸味が強く、苦味はそこまで感じません。アフターテイストはまろやかです。
ハンド・ドリップ
続いてはドリップコーヒー。10gの豆を中細挽きでグラインドしたあと、フィルターに入れます。一旦蒸らしたあと200Fのお湯でドリップし、200ml分のコーヒーを抽出します。
同じく口に含んだ瞬間に感じるのはフルーティーな酸味。同時にナッツのコクのようなものをほんのり感じます。ドリップにすることで雑味が抜けるのか、飲みやすいのはこちら。喫茶店で飲むキリマンジャロを彷彿とさせるような、なんだか上品な懐かしい味わいです。
最後に
今回USD12まで値上げしてしまったトレジョのシングルオリジン・スモールロットコーヒー。避けられないインフレの波を感じます。今回の豆は、すっきりとした酸味が魅力で、ドリップで楽しむのがおすすめ。見かけたらぜひ手に取ってみてください♪