サンフランシスコの日本町にあった老舗和菓子店「勉強堂」が2022年3月に店仕舞いとなり、現在ベイエリアで唯一の和菓子店となった集栄堂。サンノゼの日本町にある小さな店舗には、開店と同時に列ができる人気の和菓子店です。
創業1953年の老舗和菓子店
サンノゼ日本町を代表するお店として知られる集栄堂、創業はなんと1953年です。以前ご紹介したSFの勉強堂が創業1906年、L.Aの風月堂が創業1903年で、こちらの2店舗と比べると50年ほど後の起業になりますが、それでも70年以上続く老舗和菓子店となります。ちなみに、2023年はちょうど70周年記念の年です。
オーナーはトムとジュディー・クママルさんのご夫婦。店頭でお米を蒸し、一から多数のおもちと和菓子を手作りされています。ジュディさんは元々歯科技工士で、トムさんは電子機器メーカーに勤めておられましたが、偶然にも、ジュディさんの両親が、1953年に「集英堂饅頭店」を立ち上げたオリジナルの夫婦チーム、オザワ夫妻と親交があり1980年代後半に引退する準備が整ったときに、ジュディさんの両親が所有権の譲渡を手配したことでお店を引き継いだという経歴になります。
依頼熊丸さん夫婦は、保存料不使用で柔らかすぎない弾力。新鮮で、甘すぎない、おふたりの好みの味を追求した和菓子作りに取り組んでいらっしゃいます。
店頭の様子
サンノゼ日本町のメイン通りジャクソンストリート沿いにある店舗の様子。店頭に水色の背景に白色のフォントでお店のロゴと店名が描かれています。ここは勉強堂や風月堂と違って店内に入ってショーケースから選ぶのではなく、店頭で欲しい商品を伝えてピックアップするスタイルです。
お値段はどれも一律2ドル25セント。日替わりの乳団子のフレーバーは、店頭のカウンター左のボードに手書きされています。まずは店頭の列に並びながら、歩道に置かれたメニューを見て欲しい和菓子を決めましょう。
支払いを済ませるとあとは店舗付近の歩道で待機します。5〜10分ほどで名前を呼ばれるのでオーダーをピックアップすると完了です。
周辺の雰囲気
サンノゼ日本町の中心部にある店舗、周りは閑静な住宅街で、治安もよく日中であればひとりで散策しても問題ありません。サンノゼの日本町はサンフランシスコに比べると規模が小さく、ジャクソン通りを中心に数ブロックなので1時間もあれば十分に楽しめます。
メニューとオーダーしたもの
2023年夏のメニューはこのような感じ。オーダーカウンター上に同じメニューが貼られているほか、白いボードに日替わりメニューの記載があるのでそちらもチェックしましょう。お餅だけでなく、もなかや羊羹も販売しています。ただハワイ島やロサンゼルスで見かけた、フルーツ入り餅は取り扱っていません。
ピックアップしたパッケージの様子。集栄堂のシールが貼られた素朴で懐かしさのある容器には、コンポスト可能の紙製のトレイが使われています。
こちらがラズベリー味の乳団子。あまり聞き慣れない乳団子、筆者もハワイのオアフ島にあるニッショードーで存在を知りましたが、こちら集栄堂でも販売しています。なんでも広島県が発祥なのだとか。
おそらく着色料が使われているため、ラズベリーの色が鮮やかです。質感は弾力があって、硬め。フルーティーで和菓子感が少ないので、餡子が苦手な方に良さそう。食感が良くて、いろんなフレーバーが日替わりで出ているのため、思わず買ってしまう人が多いのではと感じます。
買ったお餅は腹太餅、蓬、緑茶の3種類。勉強堂にもあったハブタイがこちらでも販売されています。蓬はほんのりハーブ独特の苦さを感じましたが、正直こちらの3種類、大きな違いはないように感じます。食感も甘さの度合いもほぼ同じです。繊細な和菓子の味わいに不慣れな方であれば、この違いはわかりづらいかもしれません。
断面図はこのような感じ。餡子は全てこし餡で、程よい量が入っています。お餅自体は、弾力のある柔らかさで餡の豆の風味をしっかり感じます。お餅と餡のバランスが良く、砂糖の甘さが主張しすぎない上品な味わい。今まで食べたアメリカお餅店の中では、一番好きな食感と味わいです。
最後に
サンノゼの日本町にいまだに残る和菓子店「集栄堂」をご紹介しました。アメリカ和菓子店ですが、北カリフォルニアには、サクラメントにOsaka-ya、フレズノにKogetsu-do があります。機会があったらそのうち訪れてレポートしたいと思います。
店舗情報
- Shuei-Do Manju Shop
- 住所:217 Jackson St, San Jose, CA 95112
- 営業時間:10 AM–4 PM(月〜水定休)