治安悪化の元凶として知られていたシビックセンター付近に、改善計画が進められているサンフランシスコ、11月8日にUNプラザにスケートボードやワークアウトなどを楽しめる市民のための憩いのスペースがオープンしました。
違法薬物の公共摂取所跡地にオープンした広場
今回オープンしたのが、市内でも治安の悪いエリアとして知られてるシビックセンター地区のU.Nプラザです。ここは、コロナ禍の際にホームレス救済のため、2022年1月にオープンした救済センター「テンダーロイン・リンケージ・センター」が設立された場所になります。
これはサンフランシスコのテンダーロイン緊急対策の一環として作られ、麻薬の依存症やその他の問題に悩む人々が、支援を受け、長期的なケアや住居に移行する目的としてオープンし、ドラッグの過剰摂取の防止として公共摂取所が設けられた経緯があります。この影響で付近は中毒者たちとドラッグディーラーが溜まるエリアとなり、その影響でオープンしたばかりの高級スーパー「ホールフーズ」が、安全性を理由にわずか一年後に閉店してしまった経緯もあります。上の画像は2023年5月の様子。広場付近に多くのホームレスや、薬物中毒の方がたむろっているのが見て取れます。
APEC首脳会議直前のオープン
また今回オープンする運びになったのは、2023年11月11日~17日に市内のモスコーニ・コンベンションセンターで開催されるAPEC首脳会議のわずか数日前のことです。21の国と地域の首脳が数千人の外国政府関係者や大勢の外国人記者とともにサンフランシスコに集結するこのAPEC首脳会議は、1945年の国連創設以来、サンフランシスコが国際的なスポットライトを浴びる最大のイベント、とさえも言われています。
現在サンフランシスコ市内は、首脳会議に向けて急ピッチで警備強化が進められている段階にあり、特に今週は、ホームレスのテントキャンプがある市内のホットスポットの撤去に取り組んでいる真っ最中です。治安の悪かったシビックセンター付近を一掃する一環として、こちらの施設オープンが進められたと予想されます。
オープンした当日の様子
ここからは11月8日にオープンしたばかりの市民公園の様子をレポートします。まずは以前はホームレスと薬物中毒者が集まっていたマーケット通りと7番通りから入った広場の様子がこちら。
地元のプロ・スケートボーダーとスケート・パーク支持者たちによってデザインされた13,000平方フィートのスケート広場は、初日からすでに多くのスケートボーダーで賑わっていました。
スケート場はマーケット通り沿いにL字型に作られており、2箇所のジャンプ台が設置されているほか、さまざまな障害物が置かれています。
この広場には、この種のものとしては全米初とされるストリートスケート広場、フィットネスコートスタジオ、アクティビティ、ゲームなどが併設されています。LAのベニスビーチにあるさまざまな施設の縮小版といったところです。
マーケット通りからシティホールに続く細長い空間が広場として使われ、真ん中に歩ける動線が置かれています。このスペースの両端にさまざまな施設が置かれています。
こちらがマーケット通り沿い、7番通りに近い場所に置かれている2台のテックボール台。
さらに奥に進むと左手に水色に塗装されたフィットネスコートスタジオがあります。手前にはランジ用の台も数台置かれているため、カーディオワークアウトも可能です。奥にあるのが、さまざまな筋トレに使える設備です。
フィットネスコートスタジオの手前にはフーズボール台のほか、コーンホールゲームの台も設置されています。
筋トレ用設備の真裏にあるのが、グループクラスのスペース。この日はヒップホップの無料クラスが開催されており、誰でも気軽に参加できます。
フィットネススペースの向かい側にチェステーブルが4台あり、チェステーブルを挟むようにピンポン台が2台ずつ、合計4台設置されています。ピンポンとテックボールに関しては、風が強くない日であったら、楽しくゲームや練習ができそうです。
チェス台のテーブルはこのような感じ。コンクリートのテーブルの上には、白と黒のタイルが貼られています。
最後に
実際に行ってみた感想ですが、使われている設備はどれも簡素で頑丈な作りとなり、破壊される状況の可能性を想定して作られていると感じました。以前は治安が悪く、あまり積極的に近づきたくないエリアとして知られていたUNプラザ付近ですが、新たな広場がオープンしたと同時に結構な数の市民が利用していると感じます。APEC首脳会議が終わった後も、安全な状態が続くのであれば今後はシビックセンター付近の観光スポットをご紹介していきます♪
スポット情報
- U.N Plaza
- 住所:355 McAllister St, San Francisco, CA 94102
- 時間:7AM-7PM