【サンフランシスコ・ニュース】MUNIセントラル地下鉄が遂に開通!11月19日から試験運行へ

ミッションベイからチャイナタウンに続くMUNIの地下鉄路線、2022年11月19日からついに試験運行が始まりました。新しく建設されたソーマの駅とチャイナタウンの中心地にあるチャイナタウン-ローズ・パク駅をご紹介します。

新しく開通した地下鉄線

今回開通したのが、MuniのT線-3番通り線の延長で地図の赤い部分となります。19億5000万ドルの資金を掛けて、2007年にT線の最初の区間が開通して以来、サンフランシスコで初めての大規模な地下鉄の拡張となりました。この延長によって、新たに4つの駅が設けられ、従来からあるT線につながる形となります。新しい駅はミッションベイにある4番通りとブレナン通り駅イェルバブエナ・モスコーニ駅ユニオンスクエア駅チャイナタウン駅の4つ。全駅ともすでにターミナルの使用が可能です。観光客に嬉しいのはユニオンスクエアからチャイナタウンまでのアクセス。チャイナタウンまでは急な坂を登る必要があったため、この地下鉄を使うと楽々と移動が可能となります。

フルサービスは1月7日から

今回11月19日から週末のみの試験運行がはじまりましたが、カルトレインのある4番通りとキング通りまではまだつながっていません。フルサービスは1月7日からとなり、試験運行中の運賃は無料で、朝8時から夜の12時まで12分毎に運行される予定です。1月からのフルサービスが始まると、地下鉄は10分おきのサービスとなります。

イェルバブエナ・モスコーニ駅の様子

今回新しく設立されたイェルバブエナ・モスコーニ駅の様子がこちら。もう何年も柵で区切られていたエントラスがついにお目見えしました。ピカピカのガラスの仕切りが近代的な印象です。ちなみにこの手前の空間には、2023年にロキシーペインさんという方のアート作品が設置される予定。

構内に入る前に置かれている試験運行の地図。星マークがソーマの駅で、赤の矢印がチャイナタウンです。ここに立っている係員の方から「何か質問ない?」と聞かれ、軽く世間話をして「運賃はただだからね!」と念を押され構内に入ります。

構内にはエスカレーターがあり、ここから下に降りていきます。コンクリートとアルミで実にシンプルです。

エレベーターを降りると左手に改札と係員のブースがあります。通りのガラス貼りの壁から光が差し込み、意外と明るい印象。改札の上にはカラフルで抽象的なアート作品が飾られています。

この作品はミクストメディア・アーティスト、レスリー・シャウズさんが手がけたもので、「Face C/Z」と呼ばれるもの。鉄黄鉄鉱の画像をもとに、鏡面、溶融、塗装、彫刻を施したガラス、シートメタルなどの素材を使い産業や美学において常に変化する価値観、サンフランシスコ・ベイエリアにおける多くのゴールドラッシュ、そしてガラスと光の錬金術を表現しているのだそう。

改札の右手にある電光パネルの様子。サンフランシスコらしい非常に良い写真ですが、 おそらく掲示板として使われるものだと予想されます。

改札を抜けるとすぐ左手に、プラットフォームに続くエスカレーターがあります。コンコース部分は仕切りが全てガラスとなっており、奥まで見渡せる構造です。

ここにはサンフランシスコのコンベンションセンター「モスコーニセンター」の建築の様子をカメラに納めた写真家キャサリンワグナーさんの作品が6点ほど展示されています。

エスカレーターを降りた先のプラットフォームの様子。他のMUNIの地下鉄と同様、あまりユニークなデザインは見当たりません。右手がチャイナタウン方向、逆側がミッションベイ方向になります。電光掲示板には待ち時間が示されています。

そうこうしている内に、チャイナタウン行きの地下鉄が入ってきました。

車内のデザインはほかのMUNIと全く同じです。

チチャイナタウン-ローズ・パク駅の様子

それではここからは、到着したチャイナタウン-ローズ・パク駅の様子をお伝えします。ソーマ駅は天井部分が吹き抜けだったのに対して、チャイナタウン駅が地下深いためチューブ状の構造です。ペグボードのようなデザインの白いドットパネルが貼られており、なんとなくおしゃれな感じです。

エスカレーターの上から見たプラットフォームの様子。壁と天井が白なので、明るめのモダンな印象を受けます。

上がった先の改札口につながる空間の壁には一面、カラフルなタイルのモザイクアートが施されています。大きさ約35×14+1⁄2フィート(10.7 m×4.4 m)の半円で、デザインはカテドラル・キルティングのパターンで配置された中国の織物サンプルに基づくものなのだそう。

タイルの模様は一枚一枚違っており、非常に凝っています。まるで美術館のアートのよう。改札とプラットフォームをつなぐ空間のフォーカルポイントになっています。

おそらく手描きで描かれた民族衣装を着た人。タイルは模様といい形といい、かなり時間を費やした作品だと思われます。作家はクレア・ロハスさんというオハイオ州出身の方で、サンフランシスコ空港のターミナルにも彼女の作品が展示されています。

改札を抜けた様子。ここからは地上までは、結構長めのエスカレーターが続きます。

改札を抜けたすぐ右手、チケットホールのエレベーター手前にあるのがこちらのアート作品。「中国東北部の楊貴妃の舞」という、中国の伝統的な切り紙をベースに、伝統的な民俗英雄がモチーフとなった作品です。パネルの大きさは、30×35フィート(9.1 m×10.7 m)とかなり大型。改札まで降りる際にまず目に飛び込んでくるセンターピースだと言えます。

大型RD塗装レーザーカットメタルパネルで作られているそうで、こちらもかなり手間が掛かっているのが分かります。

改札口から地上までは結構な深さで、踊り場を抜けて、再度エスカレーターに乗る形となります。

ここの踊り場に飾られているのがこの16×37フィート(4.9 m×11.3 m)のパネルで、同じく侯友明さんの作品です。

地上階の様子。ガラス張りで自然光が差し込む明るい空間は、ストックトン通りにつながります。

展望台にも行ってみよう

このチャイナタウン駅は、上部に展望台が設けられています。こちらが展望台に続く階段から見た駅の様子。エスカレーター部分のガラス張りは、まるでアップルの店舗のようです。

階段を上がった突き当たりにあるのが、縦軸のようなアート。キュートなおじさんが愛犬の写真を撮っています。

展望台はこのような感じ。複数のベンチが置かれているほか、ここから活気溢れるチャイナタウンの様子を見下ろせます。

ストックトン通りは八百屋さんが多く、観光化されたグラント通りと違って地元の買い物客で賑わう生活感がある通りです。ここからノースビーチまでは歩いてすぐの距離なので、散策にもおすすめです。

カリフォルニアのまぶしい太陽光を遮ってくれる東家のパネルもそれぞれ流動的でアートを感じます。

ストックトン通りを渡った先から見た駅の様子。今後、通りに面してMUNIのロゴが記された赤い部分に、国際的に有名なニューヨーク出身の日系人アーティスト/活動家のアライトミエさんの作品が展示される予定なのだそう。こちらの作品がインストールされた際にはまた、レポートします。

最後に

サンフランシスコの市内をミッションベイからチャイナタウンまで繋ぐ新しい路線情報と駅の様子をお伝えしました。2023年1月7日までは、週末は無料で乗車が可能で12分おきに運行しています。興味のある方はぜひ一度乗車してみてください♪

詳しい情報はこちらから。

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