2021年3月に店頭に登場したエクアドルの「Pichincha」の直後に販売されたのが、青いパッケージが印象的なタンザニアのゴンベ・リザーブ。今回はこちらのコーヒー豆をリビューします。
トレジョのスモールロットコーヒーとは?
2020年からトレジョで販売がはじまった「スモールロットコーヒー」シリーズ。これは小規模なコーヒー園に焦点を絞り、直に契約を結んで1年分のコーヒー豆の生産量をそっくり買い取るシステムのこと。
同じコーヒー園でもその収穫する年の天候などの条件によって味やクオリティーが変動するため、まさにシングルオリジンならではの一期一会の味わいを楽しめるのが魅力です。
ちなみに去年2020年にトレジョに登場したスモールロットコーヒーの産地は、ニカラグア・パプアニューギニア・ブラジル・ブルンジ・エルサルバドル・ウガンダ・ホンジュラス・ルワンダ・ベルーの9箇所、2021年は前回のエクアドルと今回のタンザニアの2カ国になります。
タンザニア・コンベ国立公園のコーヒー!
今回のコーヒーは東アフリカに位置する共和制国家「タンザニア」から。あまりコーヒーの原産国として馴染みのない国ですが、キリマンジャロのコーヒーと言えば、聞いたことがあるという人もいるかもしれません。今回のコーヒーはキゴマ地区ゴンベ国立公園周辺で収穫された「ゴンベ・リザーブ」と言われる種類。
コンベ国立公園は1960年代からチンパンジーの保護活動を行っており、周辺のコーヒー園はサステナビリティな生産とチンパンジーの保護を目的とした支援のもとに行われているそう。つまりこのコーヒーを買うと現地の継続可能な農園経営やチンパンジーの保護をサポートに貢献できます。
ちなみにこのゴンベ国立公園はブルンジの真南・西側の内陸部、キリマンジャロはナイロビにほど近い東側に位置しており、距離にして1,000kmほど離れた場所にあります。
パッケージデザインはこんな感じ
藍色をバックに黄色のフォントが目立つ今回のパッケージ。アルミ素材でフレッシュさを長持ちさせるフッ素加工が施されています。ゴンベ国立公園に住む保護チンパンジーが、トロピカルな花が咲き誇るジャングルの中を自由に行き来しているイラストが描かれています。
サイドはフォントと同じ黄色、そして真後ろはエメラルドグリーンが採用されています。正面と裏側で全く印象が異なる意外性のあるデザインもトレジョらしさを感じます。
コーヒー豆の詳細
今回のコーヒー豆の品種は100%アラビカで、焙煎はライト・ミディアムロースト。ホールビーンズの内容量は340g・お値段USD8.99。農園の説明や収穫後の加工方法などについては明記されていません。
開封の様子
今回のコーヒー豆は、正面上部にプルタブがついており楽に開封が行えます。開けた様子がこちら。まず香りですが、パッケージには香りの特徴として、オレンジ・胡桃・りんごと明記されていますが、香ばしさの中にナッツのようなスパイス・どちらかというとカルダモンのような風味を感じました。
浅煎りらしい薄茶色がきれいですが、焙煎や加工前に豆の選別がしっかり行われていなかったのか形がいびつな豆が含まれているのが目立ちます。浅煎りなので表面の光沢は全くありません。チャフのような薄皮は含まれていませんが、大きさも形も統一感がなく、なんとなく雑な印象です。
フレンチプレスで抽出!
今回も粗めにグラインドした後、フレンチプレスで5分抽出します。17gの豆に対して200Fのお湯を200ml入れ、1分後に攪拌。4分後にプレスしてマグカップに注ぎます。粗挽きのせいか太陽光のせいか、コーヒー自体が若干薄めに見えます。
酸味が引き立つ個性的な味わい
このコーヒーを一言で表すなら「酸味が強く、個性的な荒々しさのある味」。1口目にまず感じるのが強めの酸味。浅煎りな分、やはり酸味が先にきます。野生味というか、他のコーヒーにはない個性的な荒々しさがあり、なんだかクセになりそうな味わい。その分後味はさっぱりとしていて爽やかです。フルーティーな風味で、チェリー独特のナッツのような風味やコクは感じません。
これからの季節にコールドブリューでアイスコーヒーとして飲むのに良さそう。ただ酸味が強くすっきりした後味は、深煎り独特のコクが好きな方には向かない印象。いずれにせよ個性的な味わいなので、好き嫌いが分かれそうです。
最後に
さまざまな産地のシングルオリジンのコーヒー豆が楽しめるトレジョのスモールロットコーヒーシリーズ。2021年5月現在、ブレンドコーヒーは販売されたものの、その後新たなコーヒー豆は何故か登場していません。そこで次回は今月中旬に登場したサンフランシスコ焙煎のスペシャリティー・コーヒー「サファリ・ブレンド」をレビューしてみます。
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