「とんかつ」がコース料理になる——。そんな新しい食体験が話題を呼んでいるのが、2024年にサンフランシスコ・SoMa地区にオープンした「昭和グルメとんかつ」です。オープン以来、地元メディアで高い評価を獲得し、ソーシャルメディアでも人気を集めています。今回は、このユニークなとんかつ専門店をご紹介します。
とんかつ専門懐石コースレストラン

SHOWA Le Gourmet Tonkatsuは、日本のとんかつ文化と懐石料理の美学を融合させた、とんかつ専門のコースレストランです。コースでは、厳選された銘柄豚を最適な火入れで提供するほか、季節の食材を生かした料理を織り交ぜながら、一皿ごとに異なる味わいと食感を楽しめます。従来の「定食」としてのとんかつとは一線を画す、新しいダイニング体験を提供しています。
レストランの外観

ハワード通り沿い・ラファイエット・ストリートの角に位置する「SHOWA Le Gourmet Tonkatsu」。黒を基調としたシックな外観に、襖を思わせる木格子のデザインを取り入れたエントランスと窓、紺色の暖簾がサンフランシスコの街角に和の趣を演出しています。サンフランシスコらしいミニマルで、洗練されながらも落ち着いた雰囲気です。
レストランの内観

メインエントランスから店内へ入ると、まず右手に紺色の暖簾が目に入ります。その先には、ゆったりとしたダイニングエリアが広がります。

ダイニングルームの様子がこちら。窓際にはテーブル席が並び、それぞれの席には簾(すだれ)が掛けられているため、開放感がありながらもプライベート感のある落ち着いた空間となっています。店内は外観と同様に、黒を基調としたインダストリアルなデザインに木の温もりを取り入れ、和の要素を調和させたモダンな雰囲気が印象的です。

キッチンは半オープンスタイルで、ダイニングエリアから全体を見渡すことはできませんが、揚げる音やスタッフの動きがほどよく伝わってきます。
メニューとテーブルセッテング

こちらのレストランの大きな特徴は、その日限定のおまかせコース(USD150)のみを提供していること。すべてのゲストが同じ時間にコースをスタートし、料理もほぼ同じタイミングで提供されます。メニューは季節や仕入れによって毎日変わるため、何が味わえるかは当日のお楽しみ。ワインのペアリング、デザートなどを追加して、自分好みにコースを楽しむこともできます。

テーブルセッティングはこのような感じ。席には、おしぼりとグラスが用意され、金色のトレーには、簾(すだれ)で覆われた先付け3品が美しく並べられています。
ティスティングメニュー

ここからは、筆者が実際に体験したコースの内容をご紹介します。今回オーダーしたドリンクは、柚子とグレープフルーツのソーダ。柚子の爽やかな香りとグレープフルーツのほどよい酸味が調和し、キレのあるすっきりとした味わいです。

こちらが先付け3品。簾を開けてもらうと、美しく盛り付けられた料理がお目見えします。金箔をあしらったような華やかな台の上には、それぞれ趣の異なる和食器が並び、目にも美しい演出です。この日の先付けは、もっちりとした食感が楽しい「饅頭カプレーゼ」、濃厚で優しい味わいの「かぼちゃグラタン」、そして山椒の爽やかな香りがアクセントになった「牛タン山椒煮」の3品。

こちらが透明の食器に入ったカプレーゼ。手作りの胡麻豆腐とトマトが濃厚な味わいです。

続いて登場したのは「野菜チップタルタル」。ブルーフィンツナ(本マグロ)と蟹のセビーチェを贅沢に盛り付け、パリッとした野菜チップスとともに味わう一品です。

続いては「お吸い物」。澄んだ出汁に、半透明のいくらと鮮やかな三つ葉が映える、見た目にも美しい一椀です。

こちらが「野菜スティック」。食べやすい大きさにカットした新鮮な生野菜を、香り豊かな紫蘇ディップとともにいただきます。

最初に登場したのが「豚ウェリントンカツ」。プロシュートで包んだ肉厚のとんかつは、ざっくりとした衣の食感で、ジューシーな肉の旨みを存分に味わえます。ボリュームもインパクトも兼ね備えた一品です。とんかつ料理には3種類のタレと、サイドにピクルスとお漬物がついてきます。

「鮎魚女かつ」の後に登場したのが「15日間熟成赤毛豚ロース」。地元ファーム産のデュロック種の赤毛豚を15日間熟成させたロースは、驚くほど柔らかく、噛むほどに肉の旨みと脂の甘みが広がります。

メインの最後を飾るのは、「牛たん炙り焼き」。目の前に運ばれてきた熱々の牛たんは、香ばしい焼き目と驚くほど柔らかな食感が印象的。噛むたびに濃厚な旨みがあふれます。

土鍋だし茶漬け」の後に提供される締めの一品が、「〆素麺」。上品な出汁が素麺によく絡み、あっさりとした優しい味わいです。

デザートは、「すいかかき氷と手作りもち」。すいかの優しい甘さを生かしたかき氷に、もちもちの手作りもちと苺の寒天を合わせた、夏らしい爽やかなデザートです。異なる食感と風味が絶妙に調和した味わいです。

さらに今回はお誕生日ということで、追加でCraftman & Wolvesのケーキもサービスで提供していただきました。ここのシグネチャーケーキでもある「Egan’s Addiction」は、台湾産高山烏龍茶のホワイトチョコレートムースを中心に、抹茶といちごのパンナコッタ、黒糖のジェノワーズ、黒糖のサブレを組み合わせたデザート。烏龍茶の香り豊かなグレーズが全体をまとめ、上品で奥深い味わいに仕上がっています。
併設された「Ginto Express」も注目!

また、「SHOWA Le Gourmet Tonkatsu」には、テイクアウト専門店「Ginto Express」が併設されています。こちらでは、看板メニューのカツカレーをはじめ、カレーや丼などを気軽に楽しめるカジュアルなメニューを提供。本格的なとんかつの味を自宅やオフィスでも楽しめるため、ランチやテイクアウトにもおすすめです。
最後に

コースメニューのみを提供する「SHOWA Le Gourmet Tonkatsu(昭和グルメとんかつ)」。店名には、日本の食文化が大きく発展した「昭和時代」へのオマージュが込められているそうです。揚げたてのとんかつと、一皿一皿丁寧に仕上げられた懐石スタイルの料理を、ゆったりとしたコースで堪能できるのがこの店の魅力。誕生日や記念日など、大切な人との特別な食事にもぴったりです。とんかつの新たな魅力に出会える一軒として、ぜひチェックしてみてください♪
店舗情報
- SHOWA Le Gourmet Tonkatsu & Ginto Express
- 住所:1550 Howard St, San Francisco, CA 94103