ツアーでも人気のマウナケア、天文台がある山頂は標高4,205メートルもあり、サンライズを臨むにもぴったりの場所です。今回は筆者が2024年2月に訪れた際の実際の様子を、気温などを含めタイムラインでレポートします。
4:30 AM コナを出発
マウナケアまでは車で約1時間半の距離です。早朝の場合は、交通渋滞もなくスムーズに目的地まで向かえますが、道中は街灯もないため真っ暗です。運転をしていると徐々に東の空が明るくなってきます。
6:00 AM マウナケア・ウェルカムセンターに到着
コナからは国道190号線とサドルロードを使い、マウナケア・アクセスロードを左折すると約1時間10分程度でインフォメーションセンターに到着します。まずはここの駐車場で車を止めて、30分〜1時間程度の間標高に身体を慣らしましょう。
ここはマウナケアの玄関口ですが、ここからでも十分にサンライズの鑑賞は可能です。またインフォメーションセンターには開館時間外でも簡易トイレがあるので、この待機時間中に利用しておくとスムーズです。
6:56 AM サンライズ鑑賞
30分ほど身体を慣らしたら、ここから頂上を目指します。まずは道路の端に立つパークレンジャーから、登山の許可を貰います。ここから先は四駆の車しか利用できないためこのチェックの後、坂道でのギアの使用方法、車に乗っている人全員の体調の確認、車が動かなくなった際の対処法などの説明が意外としっかりと行われます。質問などを行っているとすぐに10分ほど経ってしまうため、こちらの時間もプランに加えておきましょう。
筆者たちはこのパークレンジャーの時間を工程に入れておらず、頂上に着く手前ですでにサンライズとなり、急遽途中にあるビュースポットから朝日を拝む事態に…。それでも雲の上に眩い光で登ってくるサンライズは、全く違う美しさです。山頂付近は空気が薄く、太陽を間近に感じその光に包まれる特別の体験ができます。
真っ赤な光に包まれるサンライズを体験したら、あとはゆっくりと頂上に向かいます。
7:05AM 山頂に到着
こちらが、早朝のマウナケア山頂の様子。以前訪れた時は雪が積もっていましたが、今回は岩肌が見えます。頂上は風が強く、平均温度は0度前後。ただし風が強い場合は体感温度はさらに低くなります。帽子とダウンコート、手袋を用意しておくとより快適です。
山頂は風が強いため、あまり長時間歩き回るのには向いていません。世界最大の天文台と13台の望遠鏡がある景観は、まさに独特。山頂は通常雲に覆われており、景色を臨むのにはあまり向いていませんが、サンセットもサンライズも両方楽しめるスポットです。
山頂の雰囲気を満喫したら、ここからゆっくりと下山を開始し、ワイアウ湖に続く駐車場を目指します。
7:25 AM 駐車場に到着
下山を初めて約8分、左手に駐車場とその奥に簡易トイレがあるスポットがあります。こちらが、ワイアウ湖に向かうトレイルの入り口です。車を停めたら身支度を整えて、道路を渡ってトレイルハイクを開始します。
極寒だった山頂ですが、太陽が登ってくるにつれ徐々に暖かくなります。岩だらけのゴツゴツとしたトレイルは、なだらかな登り道。トレイル自体はゆったりとした坂で、特に難易度は高くありませんが標高が高いため、息が切れます。無理をせず、自分のペースで進みましょう。
ゆっくりと丘を登り切ったら、トレイルは右手に曲がります。次の丘を登り切ったら、湖を見下ろすことができます。太陽はあっという間に空高くまで移動し、赤色から黄色に変化していきます。
7:50 AM ワイアウ湖に到着
こちらが山頂付近にあるワイアウ湖の様子。丘の上から見ると、ハートの形をしています。火星のような荒れた荒野の中に、なみなみとした水を湛えた湖は、まさに神秘的な光景です。
このワイアウ湖は、海抜3,970メートルで、全米でも最も標高の高い湖のひとつに認定されています。ここは古代ハワイアンが祈りを捧げる神聖な場所。雲の上に位置し雨がほとんど降らない場所にも関わらず、なぜか湖の水が枯れないという不思議なスポットで、ハワイ島のパワースポットとしても知られています。
ワイアウ湖で祈りを捧げたり、その場の独特エネルギーや風景を満喫した後は、同じトレイルを使って駐車場に戻ります。帰りは行きと比べると下り道になるので、行きほどの辛さは感じません。
8:40 AM ワイアウ湖を出発
ワイアウ湖の駐車場を後にしたら、あとはゆっくりとウェルカムセンターまで下山をします。パークレンジャーの指示通りに、徐行しながらできるだけブレーキを掛けずに車を走らせます。
9:15 AM ウェルカムセンターに到着
湖からウェルカムセンターの間で雲を抜けるため、徐々に視界が開けてきます。眼下に広がる多数の小山やクレーターの様子を眺めることもできます。ウェルカムセンターに戻ると、パークレンジャーによるブレーキの熱さチェックが行われます。筆者たちはしばらく車を停めるように推奨されたので、ウェルカムセンターの裏手にあるベンチで持参した朝食をいただくことに。
ちなみにウェルカムセンターですが、前回訪れた時は館内ぎっしりといろんなものが売られていましたが、現在はすっきりとした内観に改装されています。現在のウェルカムセンター内はこのような感じで、天体観測の展示品が置かれています。
数は少ないものの、雑貨やマウナケアのお土産も左側のレジ付近に陳列されています。トレーナーなどの防寒服も、こちらで購入可能です。
また駐車場の奥に、シルバーソード(銀剣草)と呼ばれる高山植物を観覧できるトレイルがあります。
こちらが、銀色に光るシルバーソード。ハワイとヒマラヤのみでしか見られない貴重な植物です。成長すると茎の高さは2メートルほどになるのだそう。ハワイでもマウイ島のハレアカラ山頂付近(標高約3,000m)やハワイ島マウナケア山頂(標高約4,000m)付近などの高山のみに生育し、稀にしか見ることができません。マウナケアを訪れた際は、ぜひ見ておきたい植物です。
またこのトレイルの奥には、レイハウと呼ばれるハワイアンの神聖な場所があります。ここはマウナケア山に住むと言われる4人の女神のひとり、雪の女神「Poliʻahu(ポリアフ)」を祀る場所。まずこちらに赴き、挨拶とお参りをしておくと、マウナケアにいる間見守ってもらえそうです。
10:00 AM 下山開始
朝食をいただき、麓付近を満喫したら後はウェルカムセンターを後にします。
11:30 AM コナの町に到着
早朝から行動しているため、以上の工程でお昼前にコナの街に到着できます。あとはビーチやプール、ホテルで休憩したりと、午後をゆっくりと過ごせます。
最後に
マウナケアでサンライズと早朝アクティブティを満喫する半日コースを、タイムライン付きでご紹介しました。マウナケアはツアーも人気ですが、四駆のレンタカーさえあれば、自分で好きな時間帯に訪れることが可能です。ヒロからのアクセスも1時間弱でできるため、ハワイ島に滞在中はぜひ挑戦してみてください。