【サンフランシスコ・トレンド】今、話題のアプリ「Too Good To Go」を試してみた!

今サンフランシスコで話題のアプリ「Too Good To Go」。食品ロスを減らすための取り組みの一環としてはじまったこちらのアプリ、格安でレストランの食事をテイクアウトできるとトレンド化しています。今回は筆者実際に利用し、検証してみました。

Too Good To Goって何?

出典:https://toogoodtogo.com/en-us

「廃棄するにはもったいない」という意味を持つ「Too Good To Go」。これは提携したレストランやカフェ・スーパーなど売れ残って廃棄寸前の食品を格安で提供する取り組みです。アプリを使って提携する飲食店やスーパーが、余ってしまった食品を格安で閉店時間に提供する、というもの。賞味期限ギリギリではあるものの、消費者は格安で食材や食品を手に入れることができ、提供側は廃棄ロスを防ぐというWin-Winのシステムを実現しています。

2016年にデンマークでスタートし、瞬く間にフランスやイギリス・スペイン・ドイツで定着。アメリカは2020年から始動し、現在サンフランシスコ(ベイエリア)・ニューヨーク・ジャージーシティー・ボストン・フィラデルフィア・ポートランド・シアトルの都市で使用が可能です。2022年中には、L.Aでも実施を目標としているそう。

Too Good To Goの使い方

まず「TooGoodToGo」のアプリをダウンロードします。プロフィールを作成し、Browse(検索)タブを開くと、現在予約が可能な店舗が地図上に現れます。あとは、自宅から近い場所や好きなレストラン・スーパーなどを選ぶだけ。値段設定は店舗によって異なりますが、カフェやベーカリーはUSD4.99、レストランはUSD5.99が相場です。

例えば、こちらがレストランの例。左上に何個まで予約が可能か、受け取りの日時と時間帯が確認できます。ピックアップする内容はその日に売り切れなかった食品が主となるため、「サプライズバッグ」とだけ表示されます。また提供される品数も店舗によって曖昧です。何をピックアップできるのかは分からないことから、アレルギーや食事に制限のある方は逆に食品を無駄にしてしまう恐れもあります。何が出るかわからない、玉手箱的要素を楽しめる方向きだと言えます。

試してみたお店とアイテムをご紹介♪

その日残った食品が渡される取り組み、同じ店舗でも毎回違ったアイテムが手渡されます。一体どのようなものが手元に入るのか、筆者が検証してみました。

1. Sweet Joanna’s Cafe (USD4.99 )

サンフランシスコのダウンタウンにあり、オフィス勤務時間に多く利用されるカフェ。サラダバーがあり、軽食を主に提供しています。ピックアップは閉店後で、ドアを叩くと中の従業員が対応してくれます。指定時間に向かうと、「Too good to goね、はいどうぞ」と紙袋を手渡してくれました。

こちらが紙袋の様子。アプリが提供するバッグがあるとは驚きです。確かにこれを持って街を歩いていると、宣伝になる用途も持ち合わせています。気になる内容ですが、コンテイナーがふたつ入っています。

中を開けると、レンタル豆のスープと、ローストポテトがひとつずつ入っていました。こちらに関しては、どちらの単価も安めなため、正直USD4.99分の価値があるのか微妙な路線です。

こちらはサラダと一緒にディナーとしていただきました。ローストポテトは普通ですが、レンタル豆スープはクミンをはじめとしたスパイスがブレンドされた奥深い味わい。このふたつだけでは食事としてちょっと物足りない感じですが、サラダを加えると良いバランスに。正直、サプライズバッグの内容としてはちょっと寂しい感じがしました。

2. House of Dim Sum(USD5.99)

中華街のど真ん中にあり、作り置きの点心を売る店舗として観光客に人気なのが「ハウス・オブ・ディムサム」。このアプリについてサンフランシスコのグルメ記事に写真付きで紹介されたこともあって、急に注目度が上がった経緯があります。

入り口にショーケースがあり、こちらに作り置きの点心が並んでいます。中華系の点心に馴染みがなくても、ここで指差し注文ができるのが魅力。店舗内は狭く、奥に繋がる厨房で点心が次々と手作りされています。例えば餃子系の点心は3つ3ドルと格安で、店頭のパークレットで食事もいただけます。

6:40pmからまでのピックアップという条件で、6:30pmに到着したところ「6:40pmまで待ってね」、と言われ店頭で店員さんと雑談しているうちに、あれよあれよと言う前に店頭に行列が。

お店の人曰く、前から提供していたのにここ数日急に人気になったとのこと。並んでいる人、数人に聞いてみると、「例のグルメ記事を読んではじめて来てみた」、という人がほとんど。店頭のショーケースの上にテイクアウトの箱が並べられ、ひとりずつ順にアプリの予約確認書を見せて受け取ります。

こちらがサプライズバッグに入っていた内容。米粉でできた薄いロールが2枚、蓬餅のような生地にナッツが入ったお餅(?)がふたつ、丸い生地にひき肉が入った揚げ物が2つ、薄い生地にひき肉が入った三角の揚げ物がふたつも入っており、持つだけでどっしりとした重さです!

どの点心も米粉と油がふんだんに使われており、ひとつでお腹がいっぱいになってしまうボリューム感です。これは2人で食べても3回分程度の食事ができ、かなり寛大な量。しかも、自分では絶対選ばない様な種類なので、新たな発見ができるのも魅力と言えます。グルメ記事で紹介されただけあり、人気なのも納得です!

3. Happy Cow Creamery(USD4.99)

ドッグパッチ地区にある「ハッピー・カウ・クリーマリー」の店舗。中華系のストアで、ボバティー(タピオカミルクティー)や、薄くロールしたアイスクリームを主に販売しています、こちらは閉店時間に合わせた6:30-7:30pmに受け取りを行うサプライズ・バッグをUSD5.99で販売しています。6:30pm過ぎに訪れてみたら、まだ営業中でした。

店内は飲食スペースがなく、カウンターで注文してテイクアウトをするスタイルです。アプリの件を伝えると、「今から準備するからちょっと待ってて」と言われ、10分ほど待つ間に手際良くアイスティーを3つ、アイスクリームをひとつ作って頂きました。

紙トレーにまとめて準備してもらったのがこちら。ジャスミンボバ、タイミルクボバ、パイナップルティー、アイスクリームの4種類を気前よく渡していただきました。

こちらがいただいた4種類。ボバティーはスモールとラージの2種類で、ミルクが入っているタイプと入っていないタイプの2通りの組み合わせです。メニューを見てみると、手前のロールアイスクリームが既にUSD6.5なので、これひとつで元を取った計算になります。ミルク入り、ボバ入り、ミルク無しのいろんな種類のドリンクを用意してもらい、まるでサンプルをいただいたよう。思うに余ったボバを消費したかったようで、ボバ自体は多少硬めでしたが、バリューは非常に良いと感じました!

4. Fresca Garden(USD4.99)

サンフランシスコの観光メッカ・ユニオンスクエア近辺の大きなフードコート内にあるピッツアリア「フレスコ・ガーデン」。フードコート自体はよく通過するのですが、奥にこのような店舗があるのは知りませんでした。ファーストフード系統でカジュアルな店舗です。

店内にはオーブンが設置され、イートインスペースもあります。主にサラダとピザを提供しているよう。ここは受け取り時間が狭く、閉店間際に合わせた6:30-7:00pmの間となります。6:30pm過ぎにカウンターに行くと「Too good to goだよね?」と聞かれ、確認書のスワイプをチェックした後、慣れた様子でピザの箱とテイクアウト容器を手渡してくれました。袋の提供はありません。

こちらがサプライズバッグの内容。12インチのペペロニピザが半分、サフランライスが1容器分入っています。筆者より先に受け取った人はライスの代わりにサラダを受け取っていたので、内容も多少違うようです。ピザは1人分のご飯にちょうど良い感じ。ライスは、これだけだと食べにくいのでアレンジを効かせる必要がありそうです。バリュー的には、「まぁ、こんなもんかな」と言った感じ。

5. La Boulangerie(USD4.99)

サンフランシスコ拠点の人気のベーカリー&カフェラ・ブーランジェリースターバックスにペーストリーを提供していることでも知られています。そんな人気ベーカリーも、なんとこちらのアプリと提供しています!ただ受け取りが多少トリッキーで、販売を開始するのが閉店時間のなんと30分前この時点から30分以内に購入と受け取りを行う必要があります。それでも毎回売り切れとなる人気のサプライズバッグ、どんなものが入っているのか検証してみました。

ヘイズバレーの目抜き通りの角にあるカフェ、閉店時間近くのため中は閑散としています。スマホを片手に中に入ると「あー、はいはい」みたいな感じで既にカウンターの奥に用意してあった茶色の紙袋を手渡してくれました。

今回筆者が手渡されたペーストリーがこちら。中には、アーモンドクロワッサン(USD4.95)、ハム&チーズ・クロワッサン(USD5.5)、ターキー&ブリー・クロワッサン(USD5.5)、クイニーアマン(USD4.75)の4種類が入っています。どれもオーブンで温めると十分においしくいただけるクオリティー。受け取りはなかなか条件が厳しいものの、このサプライズバッグは、かなりコスパが高いと感じました。

6. The San Francisco Chocolate Factory(USD5.99)

最後は、サンフランシスコを拠点にチョコレートの製造・販売を行う「サンフランシスコ・チョコレートファクトリー」。25年間サンフランシスコでチョコレートを製造している老舗ブランドです。こちらは予約を行うと翌日10:00am-3:00pmまでに市内にある本社に受け取りに行くというシステムで、受け取り時間が比較的長いのが魅力です。

場所はミッション通りにあるオフィスビルで、インターフォンを鳴らすと「あー来たね〜!中に入って!」と言われ、階段を上がるとオフィスロビーで優しそうなおじさんが出迎えてくれました。「ここから好きなの3つ選んで」と言われてブリキ容器に入った可愛らしチョコレートを選択できました。

コロナ禍前まではフォルサム通りに店舗があったそうですが、現在はオンラインでの販売のみだそう。今日は既に10人ぐらい受け取りに来ていて、「毎週やってるよ」と気さくに教えてくれました。

サンフランシスコの観光名所アルカトラズ島のイラストが入ったチョコレートは、賞味期限も2022年10月までと長くちょっとしたギフトにもぴったりです。これが3つでUSD6なのであれば、自分用というよりプチギフトとして配るのにも大変良いバリューだと感じました。

アプリを使った正直な感想

1. 思い付きでの即使用はできない

woman sitting on the floor using a laptop
Photo by Vlada Karpovich on Pexels.com

どの店舗も次の日に余る食品を想定して、1日前に予約を開始します。つまり24時間前に予約を入れるのが流れがほとんどとなるため、「ちょっと小腹が空いたから、何か今買おうかな」というような使い方はできません。予め予定を組んでからの行動になります。

2. ピックアップ時間が限定されている

confused businessman checking time on wristwatch
Photo by Andrea Piacquadio on Pexels.com

サプライズバッグを受け取る時間帯が短いのもこのアプリの特徴です。店舗側は閉店時間間際に受け取り時間を設定しており、平均1時間、短い場合は30分以内に受け取りに行く必要があります。そのため、何か思いも寄らない事態によって受け取りが遅れた場合は、手遅れという事態も起こり得ます。

ただしアプリは、何かの都合で受け取りができない場合は2時間前までキャンセルできる機能が付いています。加えて、閉店時間が遅い店舗は、受け取り時間が夜の10時など遅い時間帯になり、気軽に使用しにくい点もあります。

3. 店舗によってお得感に差がある

food healthy leaf pineapple
Photo by Maksim Goncharenok on Pexels.com

その日の売り上げ状況によって、サプライズバッグの中身は変わると思いますが、店舗によって内容に差を感じました。基本的にUSD4.99の商品はUSD15.00の価値、USD5.99はUSD18.00の価値を見出せる設定ですが、正直そこまでのバリューを感じなかった店舗も…。その日に売れ残った食材・会社の方針によってこれは大きく差がありそうです。

最後に

現在サンフランシスコでトレンド化している、レストランやスーパーの食品を格安で入手できるアプリを紹介しました。何が手元に入るかわからないため、食材の無駄を無くす一環として福袋的要素で使うとより楽しめそうです。食品ロスの取り組みに賛同したい方は、ぜひ一度試してみてください。

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