サンフランシスコ湾の北側の街、バークリーに店舗があったコマージ、サンフランシスコのミッション地区にポップアップ店を展開し、現在北イランの郷土料理にフォーカスした料理を提供しています。
北イラン料理をテーマとしたレストラン
ペルシャ料理と言えばなんとなく思い浮かべるのが、金属製の食器や羊の肉とカバーブあたりで、トルコ料理やアラブ料理との境界線があまり分からない、という方が多いのではないでしょうか?多国籍料理店が多いサンフランシスコでも、あまりイランレストランは見かけない印象です。そんな中、ギラン州を中心としたイラン北部の味をテーマにしたレストランが、ミッション地区に登場しました。あまり馴染みのないイラン料理でもさらに北部郷土料理に特化するというなかなかニッチなメニューを展開しています。
北イランは、お米の産地という背景から、お米をベースした料理が多く、野菜、お酢や未熟な果実からの酸味、卵、魚が好んで使われるとのこと。調理法もユニークで、イラン料理定番のオーブンや乾煎りではなく、焼き色をつけたり、煮し料理や蒸し料理が多いのだそう。カスピ海に面するギラン州の食文化は、全体的に糖分が少なくピクルスや酢漬けなどの酸味が好まれるのだそう。
コマージの場所とアクセス方法
コマージは、流行の発信地ミッション地区の北外れ26丁目沿い、ほぼキャップ通りに近い場所にあります。ミッション通りの繁華街18丁目からは多少外れた場所にあり、客層も観光客より近所に住むローカルが多い印象。ユニオンスクエアからはパウエル通りの駅から地下鉄MUNIの南行きの線に乗車し、24丁目とミッション通りで下車し、そのままミッション通りを26丁目まで6分ほど歩くと到着します。移動時間はわずか14分程度と便利です。
周辺は商業施設と住宅地が混合したエリア。日中は歩行者も多く大通りを歩く分には特に危険ということはありません。ただミッション通りは意外とラフなブロックもあるため、日暮れ後の散策は避けた方が賢明です。
外観の様子
24丁目沿いにあるレストランの様子。「ランドリー」と呼ばれるイベントを行うカフェスペースを借りている形となり、見た目は一見カフェのような見た目でイラン料理店には見えません。通りに面した部分は大きなガラス張りで、店内の黄色の灯りが良い雰囲気を醸し出しています。
このレストランのおすすめスポットは、歩道沿いにあるこのパークレット。アウトドアヒーターも設置されているため、夜でも暖かく食事を楽しめます。黄色い温かみのある釣りランプとイランの民芸装飾が、アットホームです。
内装と雰囲気
メインエントランスから見た店内の様子。中央に白色の大きめのカウンターがコの字に設置されており、カフェの名残りか、大きなパステルブルーのエスプレッソマシーンがどんと置かれています。レンガ壁沿いの棚に置かれているのが、イランのお茶やスパイスや雑貨など。店内のテーブル席は少なく、カウンター前のコミューナルテーブルのほか、壁沿いに4つほどテーブルが置かれているのみです。全体的に落ち着いた印象の、こじんまりとした居心地の良い雰囲気です。
テーブルセッティングとメニュー構成
各テーブルにそれぞれ、お皿とカトラリー、そしてステンレス製のコップが置かれています。メニューはテーブルに置かれたQRコードから観覧し、そのままオーダーするか直接お店の方に注文するスタイル。メニュー構成はサラダ・前菜、魚料理、メインの3種類に分かれており、メインは全て定食のようにお米とサラダが付いてきます、
メニューとオーダーしたもの
それではここから実際にオーダーしたアイテムをご紹介します。まずはサラダ部門からきゅうりサラダ。ペルシャきゅうりを発酵ハーブペースト、オリーブオイル、酢、ひまわりの種でブレンドしたダラールドレッシングで和えたもの。上にバーベリーと店名でもあるコマージの種がトッピングされています。北部料理の特徴通り、意外と酸味が強く、ハーブペーストでエキゾチックな味です。
薄いトルティーヤ生地のようなチップスと一緒に出てきたのがマリネチーズ。フェタチーズ、クリームチーズ、ディル、タラゴン、パセリ、チャイブ、クルミ、ペルシャホッグ、オリーブオイルでブレンドしたチーズは、意外と淡白な味わいです。サンガクと呼ばれる平たいパンに対して、チーズの量が多くバランスはイマイチ。
こちらが人気メニューのサワーチキン。鶏もも肉のターメリックローストと、クルミとハーブのシチューで上に杏がトッピングされています。北イランを代表する独特の酸っぱさは、淡白なチキンとターメリックライスに良く合います。こちらも、今まで食べたことのない味。ターメリックライスが明るい色をしており、ラディッシュの赤と良い組み合わせです。
こちらは全く同じシチューのベジタリアンバージョン。チキンの代わりに、ひよこ豆が使われています。ほくほくとした淡白なひよこ豆も、酸っぱいシチューとの相性がよく絡んで、どちらも同等のおいしさです。
またサーブしてもらえるフラットウォーターは、柑橘のきゅうり入りでほのかにローズの味がします。おそらくローズエッセンスが使われており、これが料理に使われるスパイスに良く合います。このローズ味のお水も、異国感に溢れており新鮮です。
デザートにいただいたのが、ボラージュフラワーのハーブティーと米粉でできたクッキー。北部イランらしくデザートにもお米が使われています。ハーブティーは良くある薬草のような味で、米粉のクッキーはほんのり甘い素朴な味わいです。使うハーブに馴染みがないためか、こちらもまたオリジナルの味わいです。
最後に
北イランの郷土料理に特化したレストラン「コマージ」。お店の雰囲気はカジュアルですが、異国情緒にあふれたニッチな料理を楽しめます。どれも他ではなかなか食べれない味なので、エスニック料理に興味のある方はぜひ試してみてください。
店舗情報
- Komaaj
- 住所:The Laundry, 3359 26th St, San Francisco, CA 94110
- 営業時間:水木金:6-9PM 土日:1-8PM 月火:定休