近年観光都市として注目を浴びるメキシコ南部の街、オアハカ。こちらに滞在した際にお勧めしたいことや、観光スポットをご紹介します。
1. 無料ウォーキングツアー参加(英語)
オアハカに着いてまずぜひ体験したいのが、無料ウォーキングツアーです。オアハカも例に漏れず、無料ツアーを開催するグループがいくつかあり、オンラインで事前登録ができます。ツアーは大体2時間程度で、オアハカの観光名所はもちろん、市内で有名なレストランや屋台、外観の良い通りなどを案内してもらえます。
市内の位置関係などを把握するにも、着いた初日か次の日に参加するのがお勧め。英語ツアーも頻繁に行なっているため、気になるツアーを予めチェックしておきましょう。ツアーに参加する際は、ウォーターボトル、サングラス、帽子の持参をお勧めします。ちなみにツアー自体は無料ですが、ツアーの最後にガイドにチップを支払うのを忘れないようにしましょう。
2. セロ・デル・フォルティン展望台
オアハカの街並みを見下ろせる展望台も、ぜひチェックしたいスポットです。セントロ西側の丘の上にある白いコンサート会場「Auditorio Guelaguetza」の真下にあり、市内から徒歩で簡単にアクセスができます、こちらに向かう場合、お勧めなのが早朝の涼しい時間帯。
気温が上がる前の爽やかな時間帯であれば、丘の上まで気持ちよく登ることできます。展望台には、メキシコの英雄で、先住民族から選出された初のメキシコの大統領でもあるベニート・フアレスの銅像が街を見下ろしています。
展望台から見下ろしたオアハカの様子。山あいの小さな町は、ソカロの広場が森のようになっているのを確認できます。
3. ソカロ広場
オアハカの中心と言っても過言ではないのがソカロ。オアハカ・メトロポリタン・カテドラルの真横に位置し、市民の憩いの場としても知られています。ここは車の往来が禁止されており、市内でも数少ない木陰がある広場となります。
広場を囲むようにポルタレス(アーケード)と半屋外のカフェがあり、こちらで食事やお茶を楽しめます。また広場内にもベンチが多数あるため、ここでゆっくりと時間を過ごしたり、芸道パフォーマンスなどの見物も可能。夜になるとさらに夕涼みを楽しむローカルで賑わいます。
4. サント・ドミンゴ教会
オアハカで欠かせない観光名所がサント・ドミンゴ教会です。オアハカで最も綺麗な教会と言われるバロック様式の教会は、目抜き通り沿いにありランドマーク的存在です。また教会前の通りは歩行者専用で、小売店やレストランが連なる散策に欠かせないエリア。昼間はもちろん、気温が下がる夜は多くの人出で賑わいます。
教会前ではさまざまな催しものが行われる場所でもあります。写真のように以前サンミゲル・アジェンデ旅行でご紹介したスペイン由来の風習モヒガンガや、鮮やかな民族衣装を着たパレードなど、週末を中心にさまざまな式典を目にすることができます。
またこの教会で外せないのが、金で覆われた煌びやかな内観です。ほぼ1センチ四方にわたって3Dレリーフで装飾され、金箔で描かれた複雑な図柄は、まさに圧倒される美しさ。1551年に建設がはじまり、実に100年以上の月日を掛けて1608年に完成した教会、オアハカの歴史と切っても切れない特別な建物です。
6. エトノボ植物園ツアー(英語)
サント・ドミンゴ教会の真裏にあるエトノボ植物園も、オアハカ観光には欠かせないスポットです。こちらの植物園内は、ツアーに参加する形で入場が可能となります。スペイン語でのツアーは頻繁に行われていますが、英語のツアーは一日一回で午前11時のみ。値段は100ペソ(約USD6)です(2024年5月現在)。
ツアーは人気なので、10時半ごろに現地に着き、指定の場所で待機しておくと確実です。時間帯は約2時間で、現地の研究員によって行われます。園内の植物を余すことなく見学ができるほか、景観の良い場所で写真撮影も可能です。ただし時間帯としては一番暑いため、帽子はもちろん日傘などを使って日差し対策をしておきましょう。
このスペースはもともと修道院の一部で、その後1世紀以上にわたって軍隊が使用していたという歴史を持ちます。庭内は広大ですが、各エリアによって植えられている植物が変化していきます。また画像のように景観の良い場所で写真の撮影ができるので、赤やオレンジなどの明るい色を着用しておくと一層緑に映える写真を撮ることができますよ。
7. メルカド巡り
ローカルの台所とされるメルカド(市場)も、ぜひチェックしておきたいスポットです。オアハカ市内には複数のメルカドがありますが、アクセスが良いのが11月20日という意味を持つ「ベインテ ・デ・ ノビエンブレ市場」とサイズ感が良い「サンチェス・パスカス市場」。
ベインテ ・デ・ ノビエンブレ市場は特に大型施設となり、肉を焼く通路から、ご当地料理を格安でいただける食堂まで見応えがあります。ここでご当地グルメのモレやトラユーダをいただくのはもちろん、タコスやティンガなどメキシコご飯を手軽に楽しめます。
一方こじんまりとしたサイズ感で、ゆったりと観光できるのがサンチェス・パスカス市場。街の中心地から北に位置しており、観光客もそれほど多くありません。野菜市場のほかに食堂も奥にあります。また市場の通り向かいには、チョコレートアイスクリームで有名な「リト・チョコレート(Rito Chocolatería & Tienda)」の店舗もあります。
オアハカ郊外スポット
ここからは、市内からちょっと離れた郊外の観光名所をご紹介します。
8. ギネス認定トゥーレの巨木
オアハカの街から東に9kmの距離にあるサンタ・マリア・デル・トゥーレ村にあるトゥーレの巨木は、ぜひ訪れたいスポットです。村の中心部に位置する教会の敷地内にあり、世界で最も太い木としてギネスブックに認定されています。
この巨木はヒノキ科のヌマスギで、幹の周囲は58メートルと世界で最も太く、高さは42メートル。樹齢は約2000年以上と言われています。
あまりにも木が太いため、当初は複数の木が生えていると考えられていましたが、DNA鑑定により1本であることが証明されています。幹の直径は9.38 mで、巨木で知られるカリフォルニア州のジャイアント・セコイアの直径8.90 m よりもわずかに太いとされます。圧倒的な見た目ですが、木の周りには仕切りがあり直接ハグしたり触ることはできません。
またこの村はオアハカに比べると、規模が小さくのどかです。オアハカとはまた違った村の雰囲気も楽しめます。
9. イエルベ・エル・アグア
続いてご紹介するのが、世界にふたつしかない石化した滝「イエルベ・エル・アグア (Hierve el Agua)」。オアハカから東に約70km、車で約2時間の距離にあります。下の谷から50~90mの高さにある2つの岩棚から成り、そこから滝のようなほぼ白色の岩層が伸びている景観が見どころ。この岩層は、何千年もかけて形成され、2つの滝のような形成から、滝と呼ばれていますが水は流れていません。
ここは山あいにある場所で、駐車場から20分ほどトレイルを使って降りていく形となります。2つの大きな人工プールと、小さな天然プールが複数あり、ここで泳ぐことも可能です。天然の水が湧き出るプールは、足を付けるだけでもリフレッシュできますよ。
足腰の弱い方、車椅子の方はトレイルの逆側に作られたスロープを使うことができます。ここから直接駐車場にアクセスできます。
10. テオティトラン・デル・バジェ村の工房見学
カサ・ドンホアン
筆者がぜひお勧めしたいのが、毛織の村として知られるテオティトラン・デル・バジェ村での工房見学です。オアハカからは南東約24kmの距離に位置し、日帰り観光として人気の場所です。筆者が訪れたのが、羊毛を紡いで自然の塗料のみを使って毛織物を作るカサ・ドンホアン(Casa Don Juan)の工房。
コートヤードを中心に風通しが良く、居心地の良い自宅件工房内で、羊毛からどのように毛織物ができるのか丁寧に説明してもらえます。自然塗料のみを使って、全て手作業で行われる工程は、見応え満点です。
カサ・ヴィヴィアナ
この村はアスファルトではなく、未だに土埃の道で田舎のメキシコの風情に溢れています。このドン・ホアンさんの工房から歩いてすぐにあるヴィヴィアナさんの蝋燭工房もぜひチェックしたいスポットです。
こちらの工房も、ヴィヴィアナさんが手作業で自然の塗料のみを使ってキャンドル作りをされています。前述した工房のようなしっかりとした説明などはありませんが、ヴィヴィアナおばあちゃんが黙々と蝋燭を作られる様子や、工房の独特の内装などを見学できます。
どの工房もギフトショップが併設されているため、見学のあとには手作りのお土産の購入も可能です。なお、この村にはオアハカからコレクティーボ(乗合シャトル)を使ってアクセスが可能です。
最後に
オアハカの市内および近郊で、ぜひ訪れたいお勧めスポットの最新情報をご紹介しました。日中暑くなるオアハカでは、あまり予定を詰め込まずゆったりとした工程でのんびり過ごすのがお勧め。できるだけ早朝に行動し、午後は室内で過ごすと体力を消耗しません。メキシコ南部ならではの街並みや文化を楽しんでください。