マンハッタン過去最大の大規模複合開発プロジェクトによって作られた「ハドソンヤード」。このニューヨーク新名所のランドマークが「ベッセル」です。2021年1月以降は立ち入りができず閉鎖中ですが、見るだけで圧倒される美しい建造物は、実際に訪れて見たいスポットとしておすすめです♪

ハドソンヤードとは

マンハッタンの西側ヘルズキッチンからチェルシー地区のエリア一帯を指す「Hudson Yards（ハドソンヤード）」。ここはもともと鉄道用地で、運営していた鉄道会社が破綻した1970年代末からは、コンベンションセンターとMTAの大きな鉄道ヤードとして使われていました。

2012年からニューヨーク市都市計画局とMTA（メトロポリタン交通機関）が共同で進める都市開発プロジェクトが始まり、2019年には今回ご紹介する巨大オブジェ「ヴェッセル」が登場しました。現在は、2015年に最寄駅となる7番線が開通し、2019年3月に「The shops and Restaurants at Hudson Yard」と呼ばれる大型商業施設がオープン。100を超えるレストランやショップが店舗を構える大型高級モールは、オープン直後にコロナ禍で閉鎖されていましたが、その後規制が暖和され再オープンを果たしました。2021年秋現在は、施設内での食事やショッピングを楽しめます。

総面積約27エーカー（東京ドーム約2.3個分）の面積を誇るハドソンヤード、全ての工事が完了するのは、2024年あたりと言われています。まさに10年以上の歳月を掛ける大型プロジェクトです。

ハドソンヤードへのアクセス方法

10番街と12番街、それと30丁目から34丁目の間にあるハドソンヤード、マンハッタンのほぼ西端にあるためアクセスはやや不便です。タイムズスクエアから向かうのであれば、42丁目の駅から7番線に乗って最終駅「34 Street-Hudson Yards」での下車が一番便利。

8番街を走るブルーライン（A C E線）からアクセスする場合は、34丁目で下車しそのまま10番街まで徒歩で向かう形となります。チェルシーやウェストヴィレッジなど南西側からアクセスする場合は、空中公園「ハイライン」の遊歩道を使う方法もおすすめです。

ベッセルの特徴

このハドソンヤードのランドマークとも言える存在が「Vessel（ベッセル）」。2019年3月にオープンしたアートインスタレーションは、イギリス出身の建築家、Thomas Heatherwick（トーマス・ヘザーウィック）により手掛けられています。大きな特徴はなんといっても、8階建ての螺旋階段と踊り場だけで構成されていること。蜂の巣を連想させる6角形のフレームが積み重なって作られた美しくダイナミックな見た目にあります。

このアートインスタレーションは154の階段と80の踊り場で形成され、ミッドタウンとハドソン川を見下ろせるアトラクションと展望台としてオープン当初から大人気でした。ただし、ここから飛び降りる自殺者が相次ぎ、残念ながら2020年5月以降は無期限で閉鎖されています。現在は展望台に実際に上がることができないため非常に残念ですが、遠くからも目立つ高いデザイン性は、間近から眺めるだけでも全てが規格外のニューヨークを感じることができます。

現在の様子

2021年秋時点での現在の様子をお伝えします。まずは11番街のエントランスから入った様子。ハドソンヤードの敷地内に入るとすぐに、左手にこの斬新でユニークな建造物が見えてきます。

手前にある階段を上がると、ハドソンヤードの中央広場に到達します。似たようなガラス張りの高層ビルに囲まれたベッセル、明らかに異質な存在感を醸し出しています。

真下付近から見た様子。8階だての建造物は、高さがあり真下まで来ると大きく見上げる形に。階段の入り口にはセキュリティーが数人常在しており、中への侵入はできません。この奥にある建物が「The shops and Restaurants at Hudson Yard」です。

こちらは正面がガラス張りになった「The shops and Restaurants at Hudson Yard」の内部から見た様子。ここからもメタリックに輝くベッセルを違った角度から眺めることができます。

最後に

目を見張るような数多くの美しい建造物が存在するニューヨークでも、唯一無二の存在感を醸し出す「ベッセル」。類を見ないアートインスタレーションは、ぜひ自分の目で確かめたいもの。ニューヨーク観光の際は、ぜひ立ち寄ってこの機密で美しいデザインを眺めてみてください♪

スポット情報

• Vessel
• 住所：20 Hudson Yards, New York, NY 10001