街中がオレンジ色に染まった9月9日以降も 、山火事の煙の影響で深刻な大気汚染が続くサンフランシスコ・ベイエリア。煙に覆われたグレーの街並みの様子をレポートします。
街全体がオレンジ色に染まった次の日(9/10)の空
サンフランシスコ全体がまるで火星のようにオレンジに染まり、ニュースにもなった次の日の朝。どんよりとしたグレーの空からは細かな灰が降り、前日と違って煙たさを感じます。かなり濃い煙が頭上を覆っており、太陽の位置も分かりません。
ただ、前日のように朝になっても真っ暗なまま、と言うことはなくきちんと夜は明けました。この日のAQI(空気質指数)は300を超える紫で、かなりの危険レベルとなりました。
ちょっとだけ明るさが増した週末
翌々日の金曜日と土曜日にかけては、相変わらず曇りですがちょっとだけ明るさが増した状態に。AQIは相変わらず危険レベルの紫ですが、あまり煙の匂いはせず降灰量も前日に比べると気にならない程度までに回復しています。
前日と同じく頭上は煙で覆われた状態ですが、煙の濃さが変わるのか時折太陽の位置が確認できました。金曜日もAQIは危険レベルでしたが、煙の匂いが強くないことと金曜日と言うことで、広場やレストランの店頭で食事をしている人たちの姿も見かけました。
煙たさはそれほど感じませんが、1ブロック先が煙でぼやけるほどに視界は悪い状態です。
金曜日の夕方、サンフランシスコの目抜き通り「マーケット通り」の様子。
サンフランシスコでは現在感染予防対策として外出時のマスク着用が定められており、それ自体は見慣れた光景です。ただこの日は主流の布マスクの代わりに、N95などの防塵対応マスクを着用している人が目立ちました。
日曜日(9/13)大気の状態はオレンジレベルまで回復
金曜日・土曜日と危険レベルが続きましたが、日曜日は海から吹く風の影響でAQIは150とオレンジ(不健康レベル)まで回復しています。ただし、煙のせいで視界は相変わらず悪く、空も変わらずグレーです。
日曜日は午後を過ぎてから煙の濃さが多少改善しました。現在はグレーの空に青みがかかり、時折うっすらと太陽の光を感じるまでとなっています。
現在の山火事の状況
9月13日現在、カリフォルニア州では28箇所に渡って山火事が発生しており、未だに消化活動が続いています。今年に入って山火事で焼失した面積は1万2500平方km。これは東京都の面積の5.7倍の広さに匹敵し、過去最悪の事態とのこと。
現在のサンフランシスコを含むベイエリアを覆う煙は、8月末に発生し数日前に勢いを増した「SQF Complex」と呼ばれる山火事が原因。南東方向からの風が煙を運んでいます。ただし、現在太平洋にある低気圧の影響で来週の半ばから太平洋から吹く風に変わり、状況は多少改善するとの予想が出ています。少なくともあと数日間は煙に覆われたグレーの状況が続きそうです。