17.5マイルのコースを走るサンフランシスコ最大のランイベント「ベイ・トゥ・ブレーカーズ」。新型コロナの影響で2020年と2021年はヴァーチャル参加となりましたが、2年ぶりに2022年5月15日に開催されました。1万人が参加するレースの様子をご紹介します。
ベイ・トゥー・ブレーカーズとは?
サンフランシスコで1912年から開催されている伝統あるランイベント「Bay to Breakers」。その名の通り、サンフランシスコ湾からオーシャンビーチまで、17.5マイル(約28km)のコースを走り抜けるイベントです。このイベントが通常のレースと異なるのは、伝統的に風変わりであるということ。まず第一に「服の着用はオプショナル」。つまりこの日は公式にヌードで街を堂々と練り歩ける日。また、多くの人がコスチュームに身を包み、それぞれ思い思いの格好でレースに参加します。
完走したりタイムを競うというより、その場の雰囲気を楽しむことに重視したイベントは、ダウンタウンのメイン通りとハワード通りがスタート地点です。朝8時にレースがスタートし、数時間掛けてオーシャンビーチまで街を東から西へと横切ります。2年のブランクを経た今年は、1万人が参加するイベントとなりました。
当日の様子(スタートから2キロ地点)
ここからは、この風変わりなイベントの様子を、当日スタート地点から1.3マイル(約2キロ)地点での様子を時系列にご紹介します。
8:00AM
スタート地点でレースがちょうど始まった時刻。この日は霧が空を覆う肌寒い朝。ハワード通りは閑散としており、カメラマン以外まだ誰もいません。
8:05AM
わずか2km先なので、5分後に3台の警備バイクが登場。そのすぐ後ろに先頭を走るランナーが見えてきました。
わずか1分後に先頭集団が到着。まず先頭を切る2人の背後に2人の走者がほぼ同じスピードで走ってきます。
あっと言う間に目の前を走り去る先頭のランナー達。さすがに本気度が違います。ちなみに今年、36分10秒の記録で優勝を果たしたのが、この赤いソックスを履いた「レイド・ブキャナン(Reid Buchanan)」さん。オリンピックにも出場するプロのアスリートです。このまま先頭の地位を譲らず完走された模様。1.3マイルの距離を6分という脅威の速さであっという間に走り去っていきました。
プロのアスリートから30秒もしない後ろに続くのが、おそらくランクラブに所属するグループの方々。同じユニフォームを着て、腰にロープをつなげて速度を落とすことなく走ってきます。
先頭集団はみんなフォームに安定感があり、非常に軽やかです。
8:07AM
先頭ランナーが走り去ってからわずか1分後。単独で走るランナーと共に、群れを成したランナー達が続々と走り去っていきます。
8:08AM-8:10AM
コスチュームを付けたランナーが登場したのがそれから1分後程度。これまで安定したフォームのランナーがほぼ全員を占めていましたが、ここから徐々に走り慣れないフォームの人たちも増えてきます。
続いて登場したのがダルメシアン・ガールズチーム。全員顔に白と黒のメークを施しながらも、結構真剣に走っています。
8:10-15AM
レースが開始してから10分経過。続々とランナー達が西に向かって走ってきます。ここあたりからランナーのペースは徐々にゆっくりめになり、年配の方も見かけるようになります。
11分を過ぎたあたりからは、コスチューム集団が大多数を占めるようになってきました。
グループでテーマを決めて集団で走るグループが多かったのがこの時間辺り。
集団ウォーリー。
簡単ですが、意外と目立つバルーンランナー、
こちらはキリンに見立てたグループのよう。派手な迷彩柄が目立ちます。
8:15-30AM
ここ辺りからは、ユニークなコスチュームが続々登場します。
カラフルなウィッグに、スキントーンに合わせてピッタリとした服を着用した「ほぼ裸」カップル。遠目で見るとまさに裸です。引き締まった体つきと共に、ゼッケンの位置と靴の色とウイッグの色を合わせるところなど、おしゃれへのこだわりを感じます。
8:16AMの様子。このあたりから徐々に通りが混み合いはじめます。チュチュを着用したランナーが多く登場。
走る人のスピードが目に見えて緩やかになってきたのがこの辺り。
真剣に走る人、音楽に合わせて踊る人、さまざまな人たちが通りを埋め尽くします。
8:30-45AM
8:30AMを過ぎた辺り。徐々にお祭りモードが濃くなっていきます。
この辺りから見かけるようになるのが、真っ裸の参加者。(写真は修正入れています)。最初は違和感がありますが、ヌードの方が続々登場するため、徐々に見慣れてきます。
周りの人も特に介せず、それぞれ走ったり歩いたりしてコースを進んでいきます。
8:45-9AM
先頭ランナーはすでにゴールに到着した45分後辺り。まだまだ列は続きます。
ここまで来るともうパレードなんだかランなんだか、とにかく通りが非常にカラフルです。
ちょっと場所を移動した7丁目の交差点の様子。
ここから見ると、1時間経過した後もスタート地点から通りがびっしりと混み合っているのが分かります。この状態がこの後10時辺りまで続きます。
10:30AM 清掃開始
10:30AMあたりになると、参加者はほぼ西に移動しランナーの数もちらほらと少数になってきました。まず簡易トイレの清掃が始まり、その後に通りが洗浄され一般車に解放されます。
朝に頭上を覆っていた霧も晴れ、青空が見える一日となりました。
最後に
サンフランシスコで人気の祭典「ベイ・トゥー・ブレーカーズ」の今年の様子をご紹介しました。毎年5月の日曜日に開催されるイベントは、見ているだけでも十分に楽しめます。参加資格も1歳から99歳の方であれば誰でもOKと非常にオープン。真剣に走ったり、仮装して目立ったり楽しみ方はあなた次第のフリーダムなイベントです。