メキシコの中心と呼ばれるサンミゲル・アジェンデ。コロニアルの街並みが美しいこののどかな町には、昔からの伝統が今でもしっかりと息づいています。今回はそんな伝統文化のひとつ、モヒガンガをご紹介します。
モヒガンガとは?
モヒガンガとは、木組みの巨大人形のことで、サンミゲル地方の伝統文化として今なお色濃く残る風習のひとつとなります。仕組みは至ってシンプルで、中に人が入り木組みの人形をハーネスで担ぎます。メキシコでも珍しいこの人形は、お祝いやイベントなどで多く使われます。衣装のお腹部分から顔を出すことで歩くことができ、結婚式のパレードなどお祝い時にはダンスを踊ります。自立するためレストランや店舗先に立っているのを見かけます。
モヒガンガの歴史
モヒガンガの歴史は古く、1600年代にスペインから植民地であるメキシコ全土に持ち込まれたとされています。メキシコ全土に持ち込まれた文化ですが、伝統として定着したのがこのサンミゲルと南部のオアハカ地方だけだったのだそう。高さは2メートルから6メートル程度で、大きさに厳しい規定はなく顔が大きく眉毛がキリリとしているのが特徴です。
町で見かけたモヒガンガをご紹介!
それではここからは、サンミゲルの町で見かけたモヒガンガを紹介します。まずはエルセントロで見かけたこのカップル。連日、プラザ周辺で観光客と写真と撮っている姿を見かけました。中の人は学生風の若い子達で、写真と撮る間ハーネスの中に座っており、撮影後にチップを受け取ります。
こちらはエルセントロから南にある住宅地にある、小さなマーケットの入り口で見かけたモヒガンガ。両方とも女性で、なんとなくアラジンを彷彿とさせるような衣装を着ています。このモヒガンガは指までしっかり再現されており、よりリアルです。
旧市街の細い路地レロックス通り沿いにあるホテルの入り口に飾られたモヒガンガ。普段着のような服装で、意外と地味なタイプです。通りに向かって真っ直ぐに立ち、ホテルのゲストをお迎えしています。
エルセントロに程近いカナル通り沿いの観光客向けイタリアレストランの入り口に置かれたモヒガンガ。メニューの真裏に置かれており、華やかな花柄ドレスに柄模様のシャツを着ています。このモヒガンガは頭に装飾が付いておらず、シックないでたちです。
旧市街の南にあるベニト・フアレス公園付近で見かけたモヒガンガの花嫁。肩のパフが特徴的なドレスに身を纏い、颯爽と石畳を歩いています。
公園で行われている結婚式の伝統的な集まりを見守るおふたり。この後、このグループに参加し、生バンドと共にダンスを踊り、ロバを先頭としたパレードに参加して公園の中を練り歩きます。このようにサンミゲルでは、公園でゆっくりしているだけで、メキシコの地方文化を手軽に目の当たりにできます。
アーティストコーナーと呼ばれる美術館に展示されているモヒガンガたち。凝った衣装の女性が何体も展示されています。おそらくメキシコの大きなお祭り「死者の日」を表現しており、ガイコツのモチーフがあちこちに使われています。ショッキングピンクにはじまるネオンの色使いが鮮やかです。
最後に
サンミゲルアジェンデ及び、グアナファト地方特有の伝統文化モヒガンガをご紹介しました。昔からの伝統行事が生活に根付くメキシコ、こういった伝統はアメリカとは全く異なるのが魅力です。サンミゲル地方を訪れた際は、探してみてください。