アメリカの国立公園の中でも、最も訪問者の多い公園として知られるユタ州の「ザイオン国立公園(Zion National Park)」。大自然を満喫できる公園内は見どころも満載ですが、中でも人気なのが川の中を進む「ナローズ(The Narrows)」。今回はこちらのトレイルをご紹介します♪
川の中を進むトレイル「ナローズ」
川の中を上流に向けて歩くトレッキングを楽しめるのが「ナローズ」。このトレイルには正式な終わりがなく好きな箇所で折り返しができるため、自分のレベルや体力に合わせて距離を決められるのが魅力です。
トレイル自体は、公園の山崖を縫って流れるバージン川そのもの。山から流れる清流は非常に冷たく、日陰が多いため特に夏期間に人気です。観光客には「シナワバ寺院(Temple of Sinawava)」から、リバーサイドウォークトレイルを上流に向かって進むコースが一般的です。
まずは「Zion Outfitters」に立ち寄ろう
公園に着いたら、まずはインフォメーションセンターの近くにあるアウトドア用品店「ザイオン・アウトフィッターズ(Zion Outfitters)」に立ち寄りましょう。ここでは5月から12月の間までは川歩き用の防寒グッズや、トレイルに役立つアイテムのレンタル・販売を行っています。手持ちに十分なギアがなくても、ここで必要な用具は揃います。
参考までに川歩きのレンタルパッケージの価格は、ビブ・ブーツ・靴下・木のスティックがセットでUSD45です。(2020年冬現在)
ナローズまでのアクセス方法
ナローズへは、公園内を巡回する無料シャトルバスに乗ることで、簡単にアクセスが可能です。公園内を巡回するシャトルバス「The Zion Canyon Shuttle 」に乗車し、最終停留所「シナワバ寺院(Temple of Sinawava)」で下車。そこから川に沿ってトレイルヘッドまで歩きます。
最終シャトル停留所は反り立つ大きな崖に囲まれた箇所にあり、降りた瞬間からその大迫力に圧倒されますよ!
ここから実際のトレイルヘッドまでは徒歩で約10分程度です。
トレイルヘッドの様子
トレイルヘッドに着いたら、ここからいよいよ川の中を歩くコースに突入します。まずは、川の中に入る前に濡れても良いように身支度を整えましょう。トレッキングギアの準備は人によってさまざまで、そのまま気にせずジャブジャブ濡れながら進む人もいれば、レンタルショップのギアを揃えて準備万端で進む人もいます。
筆者の場合は、まず濡れても良いKeenのトレッキングサンダルに履き替え、濡れないようにパンツの裾を膝まで調整、それからトレッキングポールを組み立てて挑みました。準備が完了したら、川岸まで降りそこからトレッキングの開始です。
好きな箇所で折り返そう
川の上流まで17マイル(27Km)も続くと言われるナローズ、本格的なハイカーは、川岸に野営をしながら上流まで登りつめます。観光客にとって最もポピュラーな折り返し地点は、「ウォール・ストリート」と呼ばれるスポット。ここは、狭い川幅と両脇に迫るように立ちはだかる山崖の様子がニューヨークのウォール街に似ていることからこう呼ばれています。ここまでは片道約3マイル(5km)の距離で、約2時間で到着します。
ここでのトレイルのポイントは、川岸を渡るようにジグザクに進むこと。また川の流れが意外と速いため、トレッキングポールが1本あると便利です。
筆者もこのウォール・ストリートまで歩く気満々でしたが、春先だったこともあり素足で水の中を歩くと冷たさで感覚が全く無くなり、川岸を2回渡った段階で前に進めない状態となりました。
ナローズで見る景色はこんな感じ!
ここからはナローズのトレッキングで見た景色をご紹介します!まず、トレイルヘッドから川を一回渡り切った箇所の様子。川の両脇には険しい崖がそり立っており、正午でも影がさしている様子が分かります。
ふたつ目の川を横切った箇所。川岸の浅瀬は重要な休憩ポイントです。
これから向かう上流の方向はこんな感じ。
手前の男性はスポーツ店で、木のスティックをレンタルしています。
川底から上を見上げると間近に迫るように垂直にそり立つ崖が。とにかく迫力満点です。
ここが、川の水が冷たすぎてギブアップしたポイント。ここをもうしばらく歩くと「Gateway to the Narrows」と呼ばれる、ナローズらしい景色がはじまります。
準備しておきたいもの
実際にナローズを体験して、準備しておきたいものをまとめました。
【1】トレッキングポール
川自体の流れが速く底が見えないため、トレッキングポールがあるとかなり安定感が増します。通常地上では2本がセットですが、川の中は万が一滑ったときのために1本のみを使う方法がおすすめです。下のような折り畳みの軽いタイプだと使うまではバックパックの中に入れておけるので便利です。
Trekology Trek-Z Collapsible Hiking Trekking Poles【2】防水ソックス
水の中の防寒対策として防水ソックスがあると便利だな、と感じました。公園内のアウトドア用品店にあるという情報があり、筆者はそこで購入するつもりでしたが品切れだったので予め準備しておく方が賢明です。
【3】貼るカイロ
同じく川の中を歩く対策として防水ソックスの下に薄いカイロを忍ばせておくと、かなり違った気がします。
最後に
ザイオン国立公園らしいトレッキングコースと言えば、やはり外せないのがナローズ。険しい崖が両脇に迫る川の中をジャブジャブ歩いて、上流に進むという経験はここならでは。ザイオン国立公園はとにかく規模が大きいため、最低でも現地に1泊すると、早朝から活動をはじめられて時間を有効に使えますよ。