南北戦争で早々に降伏したことにより、1860年代、まだ荷馬車が主流だった時代の貴重な建造物と石畳の街並みが現存する南部の港町「サバンナ」。幽霊ツアーをはじめ、サバンナの観光におすすめしたいことを7つご紹介します♪
【1】幽霊観光ツアー
サバンナ観光に欠かせないのが、徒歩で幽霊の名所を廻る「ハウンテッドツアー(幽霊観光ツアー)」。サバンナの旧市街を徒歩で廻るツアーは、日暮れ前にはじまります。馬車が主流だった時代から変わらない街並みを歩きながら、さまざまな幽霊が出るという噂のお屋敷や広場などを見て周り、サバンナの街の興味深い歴史を学ぶことができます。
最後はリネーという名前の女の子が度々出現するという歴史地区の中心にある「コロニアル・パーク墓地」で終了。約1時間半のツアーは、到着した日に申し込んでおくと歩きながら旧市街のおおよその位置関係も分かるのでおすすめ。人気だけあってさまざまな幽霊ツアーがありますが、内容はほぼ同じです。
このツアーに参加する場合にぜひおすすめなのが、蚊除けスプレーです。夕暮れに墓地や広場をはじめ、茂みが多い場所を歩くので対策をしておくとより快適です。ちなみに筆者が利用したツアーはこちら。ツアー料金は1人あたりUSD20〜30が相場です。
【2】ボナベンチャー墓地
「ボナベンチャー墓地を訪れないとサバンナを訪れたとは言えない」という言葉もあるほど、有名な場所が「ボナベンチャー墓地」。歴史地区からは車で約15分の距離にあります。ここは160エーカー(≒64ヘクタール)もの広大な面積を誇る霊園で、1762年創立という古い歴史を持ちます。ウィルミントン川のほとりにあるため、景観の良さもおすすめポイント。
加えて、映画化された小説『真夜中のサバナ「Midnight In The Garden Of Good And Evil (1997)」』の本の表紙となった場所としても知られています。鬱蒼としげった樫の木々からぶら下がるスパニッシュモスの並木道と、歴史を感じる古い墓場は、まさにここだけにしかない景色を楽しめます。
日中はかなり暑くなるので、できるだけ早朝か午後過ぎに訪れるのがおすすめ。南部ヴィクトリアン様式ならでは雰囲気を楽しむ場所ですが、緻密な彫刻が美しいとされる「リトル・グレーシー・ワトソン」やサバンナ生まれの著名なシンガーソングライター「ジョニー・マーサーズ(Johnny Mercer’s Gravesite)」などの有名な墓場もあります。
車で向かう場合は、そのまま墓地に入り敷地内にある複数の専用駐車場に停めるか、道の脇に駐車しましょう。入場料や駐車場代はありません。
【3】リバー・ストリート
サバンナの歴史地区の中でも、最も人で賑わうのがサバンナ川の辺りに沿って続く「リバーストリート」。多くの飲食店やお土産もの屋さんが列を連ねる昔からの繁華通りで、特に夜に賑わいをみせます。
川を背景に石畳が続く情緒あふれる通りは、散策をしたり買い物を楽しむのにもぴったり。観光客が集う賑やかな場所なので、サバンナらしい陽気な雰囲気を味わえますよ。飲食店の多くはシーフードを専門に提供しており、南部料理シュリンプ&グリッツをはじめ、新鮮な牡蠣などを堪能できます。
【4】「フォーレスト・ガンプ」名所巡り
サバンナは映画『フォレスト・ガンプ』の舞台としても知られています。映画の冒頭に出てくる緑に囲まれたあの美しい街並みが、サバンナ。映画の80%を占めるベンチでバスを待つシーンも、サバンナにある広場「チペワ・スクエア」で撮影されたもの。ただサバンナの広場のベンチは全て広場に向かって設置されており、このシーンに使われたベンチは実在するものではありません。
このスポットを探す際は、中央の銅像の真裏・広場の北側の「Hull Street」を探しましょう。Bull通りとHull通りが交差する場所が、撮影が行われたベンチの場所となります。
歴史地区の名所として知られるのが、この広場前と、ジェニーが働いていたという設定のダイナーの2箇所。ジェニーが勤務中に、TVに映るフォレスト・ガンプを目撃するというシーンに出てくるダイナー、現在は「デビズ・レストラン」と改名され、映画のシーンとは異なる外見に変わっています。
【5】南部料理体験
サバンナで体験したいのが、やはり南部料理体験。一般的に南部料理といえば、フライトチキン、フライドオクラにビスケットなどさまざまですが、トマトソースをベースに燻製ベーコンの味がアクセントとなった「シュリンプ&グリッツ」は特に日本人の舌に合う味です。ジョージア州など南部の州であれば、比較的どこのレストランでも提供していますが、歴史地区なら「The Public Kitchen & Bar」や「Huey’s」などがおすすめ。
また朝食には、ぜひサクサクのビスケットとグレービーソースのコンビネーションや、グリッツを体験してみましょう!
【6】フォーサイス公園
サバンナで一番古く、一番広い公園が「フォーサイス公園」。30エーカーもの敷地面積を誇る大きな市営公園は、市民の憩いの場所として親しまれています。この公園は1840年代に寄付されたもので、33代目のジョージア州のフォーサイス知事にちなんで名付けられています。
マンハッタンのセントラルパークのように街のほぼ中心に位置し、アクセスにも非常に便利です。特に北側にある噴水は、絶好の映えスポット。噴水の周りにはパフォーマーや似顔絵描きなどが集い場の雰囲気を盛り上げてくれます。この噴水は1858年に建てられたもので、もともとはガーデンのセンターピースとしてデザインされたもの。非常に状態がよく、緑に囲まれた公園に噴水の白が鮮やかです。
広い公園は、ゆっくりと散策したり「コリンズ・クオーター」と呼ばれる大きな屋外カフェで、お茶やブランチを楽しむのもおすすめです。
【7】歴史地区散策
サバンナの大きな特徴といえば、やはり昔から続く街並みになります。歴史地区は特に馬車が主流だった時代に設計されただけあって路地と路地の感覚が狭く、徒歩での移動にぴったり。地区内には22箇所もの広場があり、それぞれユニークなセンターピースが置かれ、雰囲気や見た目が違うのも見どころ。
車が発明されていない時代の建築様式なので、ドライブウェイやガラージがなく、路上の状態が悪かったため2階がメインフロアとして使われていた名残など、街歩きをしながら1860年代と変わらない街並みを体感しましょう。
暑い午後の休憩におすすめなのが、「レオポルド」のアイスクリーム。常に列ができるレトロでキッチュな店舗では、1919年のオープン当時から変わらないレシピで作られている「レモンカスタード」や「ラムビスク」などの手作りアイスクリームを楽しめます。
最後に
南部の美しい港町「サバンナ」、昔から変わらず続く緑あふれる街並みは、アメリカというよりヨーロッパの街並みを思い起こさせます。歴史地区内であれば、どこも徒歩でアクセスできるので旅行者にもぴったり。ぜひゆったりとした時の流れと南部ならではの風景を楽しんでください。